ISO9001序文:組織に品質マネジメントシステムを取り入れるか否かは、経営上の戦略的決定で行うべきことである。
戦略的とはどのようなことだろう。
他社との競争優位に立つことだろうか。そのためにISOを取得したというだけでは、すでにISOは普及しすぎている。
文書やシステムが整備されているということは、基盤が出来ていることの一側面を示しているに過ぎない。
方針や目標があっても、それが一般的なら戦略的とはいいがたい。
何をどうすればよいのか。
具体的行動として今日から何をするのか。
組織全体のベクトルをどこにあわせるかが明確に示され、これが達成されると何が、どう変わるのか明確でなければならない。
「改善とは強い点をより強くすること」という日本の改善についてのドラッカーの定義がある。日本流マネジメントを研究し、改善の本質をとらえた定義である。従来の不良、不具合、問題点を認め、反省し、飽くなき品質の追求といわれる改善の繰り返しを通して、不良の原因究明を行い、技術を向上させ、弱点を強い点にした努力を忘れてはならない。本当の強さは、弱点を強い点にしたことで生れる。これが日本の品質管理であり、次のように言えるだろう。
品質管理は不良の再発防止からはじまり、改善を繰返すことにより、弱点を長所に変え、強い品質文化を創りあげる活動のプロセスである。
人間は「ホモ・サピエンス」という定義があるが、単に生きるために考えるということなら、程度の差はあるものの、人間以外にもそのような生き物がいることは今の科学でわかっている。「ホモ・ネガンス」という人間の定義について考えたい。社会心理学者のE.フロムによれば、多くの場合人間の行動は「イエスマン」であるが、生存や利益を度外視して、真実や誠実、愛のため「ノー」と主張することで、人間は他の動物とは区別される存在である、という。
合理性を超えた不良や問題点低減の取り組み、「飽くなき品質の追求」は、「ホモ・ネガンス」の特性があるからできる。これは、日本の製品が安かろう悪かろうといわれ海外の輸出先から返品の山ができた当時の危機感を背景に、先輩たちが作り上げた品質文化でもある。
最近、ポジティブに明るく考えることが良いとされるが、表面的な明るさのみでは、問題の原因を深く考える改善には役に立たない。目標や希望を持つことが大切である。自分の人生にビジョンを持ち前向きに生きる特性を、ホモ・エスペランス(希望する人)という。
まず、正しい現状把握をおこない、組織の強い点を引き出す。つぎに、ホモ・ネガンスの洞察力を使って、改善したい問題点の中から、近い将来強くしたい問題を選び出すことから始めよう。
現状把握のポイントを整理しておこう。
(1) 組織の風土、文化など、どんな強い点があるかを整理するため現状把握する。できるだけ多くの人にアンケートをとると良い。「わが社の自慢できる事は何ですか、改善すべき事は何ですか」これらをまとめるとよいだろう。自分の強い点や良い点を自覚してない事が多い。自覚してないなら、どのような事が強い点か強くしたいかを示せばよい。これが方針である。どこにどんなボールを送ればゴールできるか、瞬時に判断できるのは、強い点を理解して、それを訓練しているからである。組織で勝つためには、強い点を育て、勝つための訓練を繰り返すことである。
(2) 顧客の要望、クレーム等、顧客満足や不満に関係する情報を集め、顧客満足の向上のため何をするかまとめる。現状で何が出来ているか、何が出来てないかまとめる。
(3) 次に、対策のための整理をする。何をどうよくしたいのか、特色をどう打ち出していくのか、顧客からどう評価されたいかなどをまとめる。客先に訪問して聞くのもよいだろう。
これら(1)(2)(3)を一覧表にまとめると現状が理解しやすい。
鳥が空から見たらどのように見えるかを表した絵を鳥瞰図などと呼ぶがそんな気持で全体を見ると良い。
「人の振り見てわが振り直せ」
改善すべき課題を設定する、目標を決める、など前向きに進みたい時、実施することは、現状把握である。
「いま自分はなにをしたいのか」を確認する。
そのうえで、強い点はなにか、強くしたい点はなにか、あるいは問題点は何か、目標達成の障害となっていることはなにかなど、「いま自分はどこにいるのか」を考えることが、現状把握である。
現状把握のコツは、意味ある比較をすることである。
従来と比較して、いまはどうか。
同種、同業と比較してどうか。
目標や理想と比較してどうか。
高い目標があり、自分の現状(実力)を自覚するためには、異種、異業と比較してもよいだろう。昔の剣豪のやった道場破りである。
このように、どのような意味ある比較ができるかは、現状の実力にかかっている。
「人の振り見て、わが振り直せ」という言葉がある。
人の批判なら誰でもできる。
いまの自分と比較してどうか。
自分の目標と比較してどうか。
前向きに考える人は、前向きに人からも学ぶことができる。
いまの自分を評価して欲しいと考えるなら、相手を選ぶべきである。
決して自分より実力の低い人を選ばないこと。能力の高い人はよりよい点を見抜いてくれるだろう。
「人の振り見て、わが振り直せ」は能力であり、技術である。これができれば、一人前である。
戦略的とはどのようなことだろう。
他社との競争優位に立つことだろうか。そのためにISOを取得したというだけでは、すでにISOは普及しすぎている。
文書やシステムが整備されているということは、基盤が出来ていることの一側面を示しているに過ぎない。
方針や目標があっても、それが一般的なら戦略的とはいいがたい。
何をどうすればよいのか。
具体的行動として今日から何をするのか。
組織全体のベクトルをどこにあわせるかが明確に示され、これが達成されると何が、どう変わるのか明確でなければならない。
「改善とは強い点をより強くすること」という日本の改善についてのドラッカーの定義がある。日本流マネジメントを研究し、改善の本質をとらえた定義である。従来の不良、不具合、問題点を認め、反省し、飽くなき品質の追求といわれる改善の繰り返しを通して、不良の原因究明を行い、技術を向上させ、弱点を強い点にした努力を忘れてはならない。本当の強さは、弱点を強い点にしたことで生れる。これが日本の品質管理であり、次のように言えるだろう。
品質管理は不良の再発防止からはじまり、改善を繰返すことにより、弱点を長所に変え、強い品質文化を創りあげる活動のプロセスである。
人間は「ホモ・サピエンス」という定義があるが、単に生きるために考えるということなら、程度の差はあるものの、人間以外にもそのような生き物がいることは今の科学でわかっている。「ホモ・ネガンス」という人間の定義について考えたい。社会心理学者のE.フロムによれば、多くの場合人間の行動は「イエスマン」であるが、生存や利益を度外視して、真実や誠実、愛のため「ノー」と主張することで、人間は他の動物とは区別される存在である、という。
合理性を超えた不良や問題点低減の取り組み、「飽くなき品質の追求」は、「ホモ・ネガンス」の特性があるからできる。これは、日本の製品が安かろう悪かろうといわれ海外の輸出先から返品の山ができた当時の危機感を背景に、先輩たちが作り上げた品質文化でもある。
最近、ポジティブに明るく考えることが良いとされるが、表面的な明るさのみでは、問題の原因を深く考える改善には役に立たない。目標や希望を持つことが大切である。自分の人生にビジョンを持ち前向きに生きる特性を、ホモ・エスペランス(希望する人)という。
まず、正しい現状把握をおこない、組織の強い点を引き出す。つぎに、ホモ・ネガンスの洞察力を使って、改善したい問題点の中から、近い将来強くしたい問題を選び出すことから始めよう。
現状把握のポイントを整理しておこう。
(1) 組織の風土、文化など、どんな強い点があるかを整理するため現状把握する。できるだけ多くの人にアンケートをとると良い。「わが社の自慢できる事は何ですか、改善すべき事は何ですか」これらをまとめるとよいだろう。自分の強い点や良い点を自覚してない事が多い。自覚してないなら、どのような事が強い点か強くしたいかを示せばよい。これが方針である。どこにどんなボールを送ればゴールできるか、瞬時に判断できるのは、強い点を理解して、それを訓練しているからである。組織で勝つためには、強い点を育て、勝つための訓練を繰り返すことである。
(2) 顧客の要望、クレーム等、顧客満足や不満に関係する情報を集め、顧客満足の向上のため何をするかまとめる。現状で何が出来ているか、何が出来てないかまとめる。
(3) 次に、対策のための整理をする。何をどうよくしたいのか、特色をどう打ち出していくのか、顧客からどう評価されたいかなどをまとめる。客先に訪問して聞くのもよいだろう。
これら(1)(2)(3)を一覧表にまとめると現状が理解しやすい。
鳥が空から見たらどのように見えるかを表した絵を鳥瞰図などと呼ぶがそんな気持で全体を見ると良い。
「人の振り見てわが振り直せ」
改善すべき課題を設定する、目標を決める、など前向きに進みたい時、実施することは、現状把握である。
「いま自分はなにをしたいのか」を確認する。
そのうえで、強い点はなにか、強くしたい点はなにか、あるいは問題点は何か、目標達成の障害となっていることはなにかなど、「いま自分はどこにいるのか」を考えることが、現状把握である。
現状把握のコツは、意味ある比較をすることである。
従来と比較して、いまはどうか。
同種、同業と比較してどうか。
目標や理想と比較してどうか。
高い目標があり、自分の現状(実力)を自覚するためには、異種、異業と比較してもよいだろう。昔の剣豪のやった道場破りである。
このように、どのような意味ある比較ができるかは、現状の実力にかかっている。
「人の振り見て、わが振り直せ」という言葉がある。
人の批判なら誰でもできる。
いまの自分と比較してどうか。
自分の目標と比較してどうか。
前向きに考える人は、前向きに人からも学ぶことができる。
いまの自分を評価して欲しいと考えるなら、相手を選ぶべきである。
決して自分より実力の低い人を選ばないこと。能力の高い人はよりよい点を見抜いてくれるだろう。
「人の振り見て、わが振り直せ」は能力であり、技術である。これができれば、一人前である。