ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

50.継続的改善から革新へ

2007-02-01 | 継続的改善52
改善するためには、問題点の原因を調査して、原因の除去や原因の影響をなくすことが必要であるが、原因がわかっても制約条件のため対策が取れないことがある。このような問題は原因と直接関係する上位者や他部門を改善する気にさせないと解決しない問題である。

上にたつものは部下の問題を感じとり進んで解決すべきである。責任はRESPONSE:感応できるABILITY:能力である。ところが上位者が自分の責任を遂行しないですむことを経験すると、それで済まそうとする楽な習慣が定着してしまう。部下の問題解決をすることがトップダウンなのだがその責任を放棄したシステムができてしまう。部門間という横の壁と同様に上下間の壁は組織をだめにする。官僚化したシステムが組織をだめにする元凶である。
組織全体で改善に取り組んでないとこのような問題は解決できない。

解決されない問題が放置されると慢性化する。慢性化され習慣化されると、システムのような働きをする。望ましくない悪い循環はそのようにしておきる。相乗効果は良い方に対してだけ起きるのでなく、負の相乗効果の方がスピードがある。
「悪貨は良貨を駆逐する」である。

革新が必要なのは、慢性化され悪い習慣となったことに対してであり、組織における継続的改善の欠陥に対してである。
「継続的改善、品質目標の達成、革新の為の環境の創造」を結びつける総合的活動を検討する必要性がある。従来の日本のTQCが求めたものである。

いつも忘れられていることだが、革新に一番重要なことは、上級管理者の教育である。
上位者が進んで教育を受けなければ部下も熱心になれない。
多くのマネジメントの本は、上級管理者が良く理解していることを前提に書かれている。
しかし、この前提が間違いであることが多い。

教育というとおこがましいので、事あるごとに報告して確認やレビューすることを習慣づけるよう提案したい。いわゆる双方向のコミュニケーションを活用する。
中でも重要なのは、戦略的な新製品開発におけるデザインレビューや品質評価など開発の各段階の区切りで行われる活動に参画してもらい意見を述べてもらうことである。この前段階のプレゼンテーション、後段階のレビューが大切である。

多くの上級管理者は自分の力を過大評価しているから、人の話を聞こうとしないことが多い。戦略的意思決定の場に立って、責任のある意見を述べてもらうことが大切である。

上位者は組織の風通しをよくするため、トップダウンとボトムアップの双方向を実践すべきである。
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