ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

事例.4 設計変更の低減による設計期間の短縮

2005-07-14 | ISO成功法
組織の問題で顕在化しているのは「氷山の一角」である。多くの問題は、潜在化していて、長く放置しておくと慢性化してくる。慢性的問題は、チャレンジをする気持ちをおさえる。これが機会損失の原因である。この解決には、氷山の全体を見る洞察力と深く原因を追求する解析力が必要である。 

製品開発段階の潜在的問題として代表的なものは設計変更である。しかし、多くの会社で設計変更は改善すべき問題とは思われてない。品質の良いものを安く作るため、又は顧客や後工程からの要求に対応する変更は避けられないものとして処理される。ところが、変更は設計への手もどり、手直しとなり、開発の後になるほど、変更処理にともなう損失も製品の原価も高くなる。また、コストダウンの目的で行った設計変更が後で品質問題を起こしコストアップになったという例は多い。そのため、変更はできるだけ前の段階で行いたい。また、変更の大部分は、従来設計の後工程と思われていた部品や原材料、製造の情報を事前に入手し、それらの部門の協力を得て設計することにより、変更の未然防止が可能となる。
改善1.変更の前倒し
ある機械加工会社の設計者は変更を減らすことなどできないものと思っていた。そこでスタッフが変更の追跡調査を行い、開発プロセスの後ろになればなるほど、変更処理のコストが高くなることを明らかにした。
次に設計部門と変更の要求を出す部門が集り、どうすれば、変更を前倒しできるか(改善1)を検討した。はじめは、出図時点での検討会を持つという程度だったが、設計者も進んで製造に相談するようになり、変更の前倒しという成果が出てきた。
改善2.変更の低減
改善2で変更の原因の解析を行い、変更そのものも少なくすることができた。まず、変更について、変更すべき問題が発見された時点とそれが本来どこで発見可能か、つまり問題の原因があると思われるポイントを解析した。この解析で部門間連携のしくみの構築ができて、設計期間の短縮がはかれる。次期の製品開発ではどのポイントを重点管理するかが分かれば変更の予防とコストの低減ができるわけである。
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