ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

外論 生産準備ですること、定常的にすること

2005-07-13 | ISO外論
「背に腹はかえられぬ」から「備えあれば憂いなし」へ 
生産が注文に追いつかないときには、生産の平準化が重要である。いつの時代でも余裕が十分あるわけではないので、多少の生産の変動には対応できる能力がなければならない。それと同時に何か問題が起きて忙しくなると、本来取組むべき技術の開発や改善などに手が回らないことがある。一度問題が起きるといろいろな不具合が見えてきて、パニック状態になる。たしか、文化人類学者の梅棹先生が言っていたことと思うが、「能率というと技術者はすぐ生産性という分子と分母で考えようとするが、本当は、いかにイライラをなくすかである」。さすがである。部門間の連携やシステムの問題は、本気で運用しようと思うとこのイライラとうまく付き合わなければならない。どこに折り合いをつけるか腕の見せどころである。
 さて、改善の難しさは、問題があるから改善するのだが、常日頃から問題を発見して改善しておかないと、忙しいときに限って積み残しされた問題が顕在化してくる。クレームがおきる、お客さんが困っている。まずすべきことは、お客さんの所にとんでいって、クレームの処理をする。それと同時に現状把握して、クレームによる影響を大きくしないことである。その後、再発防止を検討すればよい。クレームの再発防止についてついて考えたい。原因を調査・解析して、原因に関連する人(責任のある人)が再発防止を検討すべきである。部門間やシステムに原因があるなら期間を限定して関連する部門の人が再発防止するのが原則である。最近、事故やミスをプロジェクトや委員会で検討することが多いが、これでは、再発防止の徹底も技術の向上も不充分になる。ミスや不良の再発防止の対策も技術であるという常識を再確認して、技術者の教育を徹底すべきである。
 ある会社で、社内から優秀な人材を集めクレーム処理の専門部署をつくった。この結果クレーム処理のスピードは早まった。しかし、再発防止対策が不充分のため、専門部署の仕事はますます忙しくなった。「背に腹はかえられぬ」という緊急対策も注意しないといつまでも続けることとなる。仕事を見直して、改善や技術の向上のための時間を確保すべきである。
 ある造船会社では、個別受注対応の営業、設計、製造、サービスなどの一連のプロセス管理を番船管理とよび、日常の技術の向上などを部門別管理と呼び区別している。 このように、改善(や革新)を進めるために一番大切なことは、現在の仕事のなかでしなくてよい事をまず決めることである。つぎに、生産プロセスの中でする活動と、日常する活動を区別して実施することである。これは経営者のきめることであり、経営者の協力なしに改善は進まない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする