西尾の行政書士  Getting Better  

愛知県西尾市で市街化調整区域の許認可、相続を主な業務とする行政書士事務所と
不動産会社を経営しています。

西村賢太 苦役列車と暗渠の宿

2011年02月09日 | 映画・音楽・読書

第144回芥川賞受賞の作家、西村賢太。

その凄まじい生い立ち、中学卒業後、
定職に就かず転々としてきた来歴等を
独特の文体で綴る露悪的な私小説。

他の受賞者とはあまりにかけ離れた、
その人物像に世間の注目が集まりましたね。



芥川賞受賞作 「苦役列車」 (上の画像)

2011年1月26日 新潮社刊

「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。




 

野間文学新人賞受賞受賞作 「暗渠の宿」

2006年12月 新潮社刊

「けがれなき酒のへど」併録。



私も早速、氏の上記2冊を読んでみましたが、
その生活、内面の破綻ぶりは思っていた以上。

劣等感からか始めは小心に他者と関わる主人公。
誰しもが持つであろう心の闇にふれながら、
読み手に少なからず感情移入を強いる。

しかし読み手が心を許した途端、お約束のように、
作中関わる他者の隙に土足で踏み込む暴走、
自作自演の破滅ぶりに辟易させられ、
読み手を遙か遠くに置き去りにする。


特に先に読んだ「暗渠の宿」2作のねじれぶり、
救いの無さ、読後の不快感は強烈。
「苦役列車」もかなりの破綻ぶりであるにも
かかわらず、そこはかとない救いのある
終わりには、希望を感じたほど。

読後感、作品の賛否は極端に分かれると思われ、
氏の作風を全く受け付けないという方も多いと思う。
(特に女性の方はどうかな…)

それでも私は、読み手の共感を一切拒むような作風、
作中の主人公への圧倒的嫌悪感をもってしても、
小説としての面白さ、力強さは感じました。



西村 賢太
1967(昭和42)年7月、東京都江戸川区生まれ。
中卒。2007(平成19)年『暗渠の宿』で
野間文芸新人賞を受賞。『苦役列車』で
第144回芥川賞受賞。

 

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (コスモ)
2011-02-10 08:35:09
私も読みたくなりました。

応援チャチャチャ!
返信する
Unknown (みさき)
2011-02-12 10:14:22
はじめまして。ランキングサイトから上陸しました(笑)。
また、おじゃまさせてもらいます。
返信する
Unknown (行政書士)
2011-02-12 21:38:34
コスモさんへ。

ぜひ読んでみてくださいね。
案外はまるかも!?


みさきさんへ。

またいつでも寄ってくださいね。

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