今日は本の紹介です。
「海炭市叙景」 佐藤泰志 著
小学館文庫
初版は1991年12月、集英社刊
5度の芥川賞候補になるも、90年に自死を遂げた悲運の作家、
佐藤泰志(享年41歳)の遺作となった連作短編集。
海に囲まれた北国の架空の町「海炭市」
(作者の故郷である函館市がモデル)
に生きる普通の人々が織りなす18の人生。
心に屈託や絶望を抱えながら、変わらない日常を生きる人々。
老若男女のありきたりな生活、喜び、悲しみ、不安、そして希望。
幻の遺作と言われた本書は、熟練の匠が渾身の作に魂を
込めるかのように、煮えたぎる情熱を深く静かに封じ込め、
見事な筆致で描ききる。
1991年に単行本として集英社より出版、その後、絶版と
なっていた本書が2010年の映画化に合わせて文庫化。
映画は残念ながら原作の良さが出ていないように感じましたが、
その映画化のお陰で本書を手に取る事ができた。
ここにはハッピーエンドや絵に描いたような感動は無いけれど、
静かに深く登場人物に感情移入し、心奮わせる。
この1年、私が読んだ小説の中では断トツのベスト。
梅雨のひととき、ぜひ架空の町「海炭市」の世界へ!
興味あります・・・。ポチッ!
読んでみます。
応援チャチャチャ!
私も勧められるまで知りませんでした。
埋もれた中にも優れた作品がたくさんあるんでしょうね。
コスモさんへ。
ぜひ、手に取ってみてください!
改めてこの作家の早すぎる自死に喪失感を
感じると思います。