西尾の行政書士  Getting Better  

愛知県西尾市で市街化調整区域の許認可、相続を主な業務とする行政書士事務所と
不動産会社を経営しています。

先の事は考えたくないけれど遺言はしておいた方がいい

2012年07月23日 | 仕事

このところ、続けてあったお客様からの相続の相談。

ひとつは元気だった父が突然倒れ、一命は取り留めたものの
意志能力が無くなり、今後の相続につき兄弟間で揉める事が
必至の状況になり困惑している。

もうひとつはすでに相続が開始している件。双方主張を譲らず、
良好な付き合いだったはずの兄弟間が険悪に。
先方は訴訟も辞さない構え。生前よりこちらが取得する事が
約束されていたはずの不動産だけに納得がいかない。

どちらもありがちな件ですが、その状況は深刻。

特に後件は、遺言書の作成を漠然ながらも考えていたらしく、
後悔先に立たずの状況。


兄弟間、親子間等での無用な争いを避ける為には、
やはり遺言書は用意した方がいい。

それまでは平穏だった兄弟間も、他人である配偶者を持ち、
家計費、債務等の負担が重なり「もらえるものはもらいたい」
と思うようになりがち。

『子供がいない夫婦が配偶者に全てを残す場合』
『世話になった家族などに贈る場合』
『特定の人には相続をさせない場合』等々、
意図をもって分ける場合には特に用意すべき。


また、うちは財産が少なく相続税の対象にならないから
大丈夫という人こそ要注意。

財産が少ないからもめないということはなく、
2010年に家庭裁判所で調停などが成立した
「遺産分割事件」の74%は不動産を含む遺産額が
5000万円以下のケース。
その内の31%は1000万円以下のケース。

一般家庭の財産の大半を占めるのは評価でもめやすく、
分割が困難な自宅不動産。

経済産業省の2012年の調査によると、70歳以上で
遺言書をすでに作成している人は4%にすぎない。

一方「作成するつもりはない」が34%

「考えていない・わからない」は21%

「いずれ作成するつもり」は41%

私が相談を受ける実感としても、どちらかというと消極的な
「いずれ作成するつもり」を含めて「考えていない・わからない」
あるいは、「分かってはいるが考えたくない」という漠然とした
ものが大半のように感じます。

自身の場合を考えてみても・・・
現状はもちろんのこと、高齢になってもきっと自分の死を前提
にした遺言はとても考える気にならないのではとも思う。
特に元気であればあるほど。

しかし上記のような深刻な相談を受けると、やはり残される
大切な家族の為、遺言は残しておくべきものと考えます。



*6月6日付、日本経済新聞記事を参考

 



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (コスモ)
2012-07-25 06:57:03
相続とは争族ですからね。

応援チャチャチャ!
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Unknown (しんめい)
2012-07-30 10:01:40
私が係わった案件で、
裁判になり弁護士先生に登場してもらったのも、遺言無し&遺産2000万でした。
遺言、必要ですね。ポチッ!
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Unknown (西尾の行政書士)
2012-07-30 21:47:02
コスモさんへ。

争続にならないための遺言ですよね。


しんめいさんへ。

まさに典型的パターン、これが現実なんですよね。
遺言の必要性を痛感します。
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