このところ、続けてあったお客様からの相続の相談。
ひとつは元気だった父が突然倒れ、一命は取り留めたものの
意志能力が無くなり、今後の相続につき兄弟間で揉める事が
必至の状況になり困惑している。
もうひとつはすでに相続が開始している件。双方主張を譲らず、
良好な付き合いだったはずの兄弟間が険悪に。
先方は訴訟も辞さない構え。生前よりこちらが取得する事が
約束されていたはずの不動産だけに納得がいかない。
どちらもありがちな件ですが、その状況は深刻。
特に後件は、遺言書の作成を漠然ながらも考えていたらしく、
後悔先に立たずの状況。
兄弟間、親子間等での無用な争いを避ける為には、
やはり遺言書は用意した方がいい。
それまでは平穏だった兄弟間も、他人である配偶者を持ち、
家計費、債務等の負担が重なり「もらえるものはもらいたい」
と思うようになりがち。
『子供がいない夫婦が配偶者に全てを残す場合』
『世話になった家族などに贈る場合』
『特定の人には相続をさせない場合』等々、
意図をもって分ける場合には特に用意すべき。
また、うちは財産が少なく相続税の対象にならないから
大丈夫という人こそ要注意。
財産が少ないからもめないということはなく、
2010年に家庭裁判所で調停などが成立した
「遺産分割事件」の74%は不動産を含む遺産額が
5000万円以下のケース。
その内の31%は1000万円以下のケース。
一般家庭の財産の大半を占めるのは評価でもめやすく、
分割が困難な自宅不動産。
経済産業省の2012年の調査によると、70歳以上で
遺言書をすでに作成している人は4%にすぎない。
一方「作成するつもりはない」が34%
「考えていない・わからない」は21%
「いずれ作成するつもり」は41%
私が相談を受ける実感としても、どちらかというと消極的な
「いずれ作成するつもり」を含めて「考えていない・わからない」
あるいは、「分かってはいるが考えたくない」という漠然とした
ものが大半のように感じます。
自身の場合を考えてみても・・・
現状はもちろんのこと、高齢になってもきっと自分の死を前提
にした遺言はとても考える気にならないのではとも思う。
特に元気であればあるほど。
しかし上記のような深刻な相談を受けると、やはり残される
大切な家族の為、遺言は残しておくべきものと考えます。
*6月6日付、日本経済新聞記事を参考
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裁判になり弁護士先生に登場してもらったのも、遺言無し&遺産2000万でした。
遺言、必要ですね。ポチッ!
争続にならないための遺言ですよね。
しんめいさんへ。
まさに典型的パターン、これが現実なんですよね。
遺言の必要性を痛感します。