マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

公益事業体の公共料金請求が巻き起こすトラブルは避けられない

2010年03月21日 | マレーシア生活の案内と知識
【公益事業に関わるトラブルは実によく起こっている】
マレーシア生活においていわゆる公益事業の公共料金に関するトラブルは避けられない、と言っても過言ではないでしょう。 これは、Intraasia の長いマレーシア生活を通じて、マスコミに現われる実に数多くの公共料金機関に対する苦情・不満を読んできたことと、自ら体験したいくつものトラブルから、かなり断定的に言えることです。公共料金に関するトラブルが Intraasia 自身に発生した回数は、大雑把に10回ぐらいかな、ざっと2年に1回ぐらいの割合でしょう。 トラブルがふりかかってきた公益事業体は電話、インターネット接続、電気、水道、です。このうち一番対応が遅く、不誠実な公益事業体は電話事業とインターネット接続事業ですね。

Intraasia は全てのトラブルを自分1人で交渉し、時には要望書(もちろんマレーシア語)を書いて担当部署に提出してきました。さらに知人の通訳を兼ねて付き添って公益事業体へ行ったことも複数回あります。皮肉な見方をすれば、この経験がマレーシアの公益事業体の体質を具体的に知るのに多いに役立ったと言えます。

【料金請求トラブルの最たるものはTelekom Malaysia 】
マレーシアにおける電話事業は Telekom Malaysia がほぼ独占しています。 2000年前後からものすごく普及してきた携帯電話事業でも主要3社の1社を Telekom Malaysia グループの 1社が占めています。インターネットプロバイダー事業では、1990年代半ば頃からの創成期以来ほぼTelekom Malaysia が独占的にシェアを占めてきました。インターネット接続事業はTelekom Malaysia 系列会社、その後子会社化され最後には事業部門化されましたが、経営はTelekom Malaysia グループであるという実態は同じです。

電話の問題、それはすべからく使ってもいない料金が請求されることです。 90年代に数回、2000年代に入っても2回ぐらい起こりました。ロシア宛の電話など国際電話の多額料金請求から、国内長距離電話番号への通話など、身に覚えのない通話に基づく料金請求にはその都度驚き憤慨しました。それ以上に腹が立つのは、Telekom Malaysia の対応ですね。 

具体的には、電話局つまりサービスセンターへ足を運んで、窓口で苦情兼請求書修正要求を出します。しかし係りのごく事務的態度と、調査するのでそれまでお待ちください、という簡単な対応に何回がっかりし、腹が立ったことかです。 調査するという言葉があってから返答は早くて数ヶ月後、長いときはなんと1年近くもかかったのです。あまりにも返答が遅いので再三再四と足を運ばずにはいられません。とにかくTelekom Malaysia の対応と調査には、不誠実、非迅速、不正確 という評価を与えておきます。

【電話やメールで事が片付くことはまずない】
トラブルに見舞われたからといって、電話や電子メールで事が片付くなんてことはまずありません。第一、問題が発生したからとお客様係りに電話しても、担当者につなげる、つながること自体が一苦労です。さらには全くつながらないこともあり、どこどこの営業所へ行って苦情届けを出してくださいと言われるのが落ちです。要するに、まずその公共事業体の支店か営業所へ行かねばなりません。しかもこの種の苦情を受け付ける支社・支店が特定されている事業体もあり、どの支店・営業所でもいいということには必ずしもなりません。

公共事業体の支店・営業所へ行くことからして手間と暇のかかる面倒ごとです。自家用車を持たない Intraasia はバスと電車を乗り継いで且つ徒歩でそこを訪れるわけです。クアラルンプールの地理とバス網に極めて通じている Intraasia でも、(近所の営業所では扱わないため)目的の事業体支社に到達するまでに軽く 1時間ぐらいはかかるし、時には2時間近くかかることも珍しくありません。 もしタクシーで行けば、余分な出費が増えるだけです。

【手間暇かかる管轄の支社・営業所への訪問】
こうして公共事業体の窓口で、間違い請求を指摘し、訂正を要求することになります。通常は備え付け用紙に必要事項を記入して提出し間違い請求書を見せます。電話代とインターネット接続代の間違い請求は一度たりともその場で訂正または取り消しの返事をもらったことがありません。 全ては「担当部署に回して調査します。」なのです。 こういう場で怒ってはいけません、担当者には低姿勢で訴え困っているということを強調すべきだと、何回かの交渉経験を経て体得しました。とにかく窓口女性では通常らちがあきませんので、できるだけスーパーバイザー的な職位にある上司に会わせてくれるように頼みます。その願いを聞いてくれる場合もあるし、聞いてくれない場合もありました。

【インターネット接続時間の過剰請求に懲りて、プリペード式に変更した】
電話事業体とインターネット接続事業は Telekom Malaysia ですから、基本的にこの会社の体質は同じです。いくら「そんな電話番号へは全くかけてない」、「そんなに多数時間インターネット接続をしていない」 と訴えても、「担当部署に回して調査します。」なのですから、あきれ憤慨し失望感を覚えます。 インターネット接続の過剰接続時間請求に関しては、Intraasia は半年間ぐらい訂正を要求し続け且つ料金は毎月の定額しか払いませんでした。最終的に過剰請求額の1割ほどを払えとなりました。いくらだったかは忘れましたが、このまま膠着状態を続けてもTelekom側はもう態度を変えないとわかったので、泣く泣くその1割分、数十リンギットかな、を払って幕引きとしました。

この腹立たしい2回目の身に覚えなのない多数時間接続料金を請求されたことから、Intraasia はインターネットダイアル接続において、それまで利用していた一定時間数まで定額である月額料金式契約を止めて、2000年代初期からは Telekomのダイアルアッププリペード方式に変更しました。こまめにプリペードカードを買う手間があったのですが、多額の身に覚えのない接続請求がもう来ないという安心感を得ました。なお 2007年後半からは現在の 月60時間接続で定額料金のADSL接続に切り替えました(60時間を越えれば追加払いが必要)。ADSL 契約に替えてからは、過剰請求は起こっていません。

【電話の身に覚えのない通話代請求に対しては最後の手段を取った】
電話においては、一昨年に何度目かの”身に覚えのない番号宛てに通話した”多額請求されたため(もちろんその分は払わずに訂正要求した)、1年ほど前から市外通話できない機能に変更しました。つまり利用者からの要求に基づき電話局側が設定することによって、我が家の固定電話からは市外通話はできません。これならもう身におぼえのない長距離電話をかけたなどと請求されることはありません。尚国際電話ができない機能処置にもその少し前からしてあります、これも電話局側の設定です。 

カード番号をあらかじめ入力するため多少面倒ですが、いわゆるコールカード(インターネットプロトコル電話をするためのプリペードカード)を使用することで、市外通話と国際電話はちゃんとできます。それも固定電話の規定通話料金よりも安価になるため、Intraasia はずっと以前からコールカードを使っています。加えて携帯電話を使えば市外通話と国際通話は当然できますから、特に不利益は感じませんね。

【携帯は最初からプリペード方式】
携帯電話はTelekom グループではなくMaxis のサービスを利用していますが、過剰請求や”身に覚えのない番号宛て通話した”請求を防ぐために、最初からプリペード式にしています。 なおマレーシアでは携帯電話の個人利用者の8割から9割近くはプリペード利用者です。

参考:マレーシアの携帯電話利用者総数は(重複を含めて) 2009年末時点で3030万人です、これは人口に対する携帯電話普及率は106%になります。マレーシアコミュニケーションとマルチメディア委員会の発表によれば、プリペード利用者が 2400万人、後払い登録利用者が620万人となります。

【アパート管理会社の水道メーター誤検針】
我が住居はアパートのため、水道はアパート管理会社が管理しています。そこで各住居ユニットに取り付けてあるメーターは上水道供給会社ではなく、管理会社の係りが毎月読んで、その後水道代請求書を各住民の郵便箱に入れておく方式です。 その請求書の金額を管理会社の窓口で払います。

水道メーター読み取りミスは我がアパートに関する限りあまりなかったのですが、去年のことです、かなり過大に読んだ数字で請求書が届きました。 そこで早速管理会社の窓口へ行って請求書の数字訂正を要求したら、修正はできない、来月メーター読み時に使用量がごく少なくなるので気にしないで、などという身勝手な返事が帰ってきました。Intraasia はほとんどの月が最低使用料金なので、来月時に調整してもちゃらにはなりません。最低使用料金 X 2ヶ月 はこの過剰読みメーター数字の料金より幾分少なくなるからです。 ここにもある、一事が万事 ”tak apa 我知ったことにあらず” 思考です。

【電気メーターの誤検針数字に驚いた】
2月最終週のことです。電気使用メーターは電力会社TNB の検針員が毎月読んで、その場で請求書を発行してドアに挟んで行きます。電力使用メーターはアパートのどの住居も外扉の内側に取り付けてあるので、係員に読みにくい場所になります。そこで5桁数字の下2桁の間違い読みはこれまで頻繁にありましたし、今後も必ずあるでしょう。十数キロワット時程度の読み間違いであれば、翌月の読み取りで調整されることになり、とりたてて気にしてきませんでした。

しかし今回の2月のメーター検針では下3桁の百の位の数字が間違い読み取りされていました。 つまり メーター実表示の720キロワット時が 920キロワット時と請求書に記入されています。これは見逃せない200キロワット時も上乗せされた誤読であり、実使用量と合計すると、使用量が200キロワット時を超えてしまいます。下の計算式でお分かりのように、単価計算が上がって2月分料金は RM 100近くにもなってしまいます。 Intraasiaの電気代は通常 月RM 30前後なのにです。 

電気代: 家庭用月間料金計算法 使用量によって単位金額が違う。
  月間使用量が 400KWH までの場合
1 - 200KWH まで  1KWH(キロワット時)X RM 0.218
201 - 400 KWH まで 1KWH(キロワット時)X RM 0.334
  月間使用量が 400 KWH を超える場合
1 - 500KWH まで  1KWH(キロワット時)X RM 0.286
以下省略

【電力会社のお客様係り電話は応答しないので、近所の営業所へ行った】
そこで早速TNBの請求書裏側に書かれている問い合わせ電話番号にかけたのですが、何回電話しても誰も出ません。まだ4時過ぎですから営業時間のはずです。官庁や公益企業体のこの種の顧客サービス電話の実態は、これまでの長い体験からこんなものだと知っているので、あきらめました。そこで閉店までもう時間がないので、地元にある、TNBの料金支払いが主体の営業所へ急いで行きました。 窓口で開口一番、請求書の読み取り間違いなので、どうすればいいと聞きました(もちろんマレーシア語で)。窓口女性はここでは扱わないので、地区の支店へ行きなさいと、答えただけそれ以上は対応してくれません。もう1人の男性に再度読み取り訂正の手続を尋ねたら、同じように支店へ行けと、具体的な場所を教えてくれました。

その日はもう夕方なので、翌日の昼前に行きました。その地は高架電車路線からは全く外れているし、決してバス便の便利な場所ではないことを知っています。しかしタクシーを使えば費用が高くつくだけなので、バス1本で行けるルートを考え、そのバス停までとことこと歩いたわけです。

【電力会社の支店でメーター誤読数字を訂正してもらい、料金を支払った】
TNB支店に着いて、番号札を取り待ちました。すぐ番号が呼ばれて、窓口で請求書を見せながら、メーター数字読み取り間違いを訴えました。窓口女性はメーターの本来の数字はいくつだと尋ねてきたので、 「920ではなく 720 である」 と答えました。それならわかった、と彼女は窓口の奥へしばらく消えました。私は訂正してくれるのだろうか、と不安に思いながら待っていると、まもなく彼女は席に戻ってきて、新しくA4版の 2月分の請求書を印刷して、それを私に手渡しました。確かに2月の読み取り数字が 正しい価に訂正されています。じゃあ、これで訂正手続は終わったのかという問いに、そうだと彼女は答えました。ごく素早いそしてあっけない訂正手続完了にほっとしました。料金は隣の窓口で払えということで、早速 RM 32を払いました。 

電力メーター読み取り間違いはごく日常的に起こっているでしょうから、こうも簡単に訂正処理が終わったのかもしれません。 もし電力メータの正しい数値を読まずに窓口へ行っていたら、メーター検針係りの再訪問になってしまうはずで、それでは訂正がずっと先のことになることでしょう。

【この種のトラブルはいずれ誰にでも起こるでしょう】
今回の電力メーター誤検針はこれまでの公益企業体の間違い請求書事例の中で、恐らく最も簡単に片付いた1件でした。とはいうものの、被害者である消費者が数時間と労力を費やさなければならなかったわけです。 マレーシアの企業体ですから、もちろん誤検針に対するお詫びなどはあり得ませんし、Intraasia も最初からそれを期待していません。 まず最初に謝る、謝ることが期待されている文化・慣習を持つ日本のあり方は、世界でも少数派であることは間違いないでしょう。

ここで描写しました、公益事業体の公共料金請求にまつわるトラブルは、地域、住居形式に関係なく起こりえるものです。マレーシアに住む以上、これぐらいのことは遅かれ早かれ起こりえると承知しておきましょう。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。