我を忘れる時

生きている間には・・・
「我を忘れる」というような状況に何度か遭遇してしまいます。

２年前の３月１１日。
自分の発した言葉や、どう動いたかなど鮮明に思い出されます。

で・・・・
どーでもいいことですが、私はスッピンではゴミ捨てにも行きません。

あの日のあの時間、化粧をしてました。
眉を片方だけ描いたところでユラユラと揺れだしました。
その後はまさに「我を忘れる」という事態になったのですが・・・・

そう、そのまま・・・片眉だけの顔で・・・
お隣のご主人と話した時も、Y君を送り届けてくれた職場の職員さんと
接した時も、帰宅できなくなったmichaのお友達を迎え入れた時も！

他のことは覚えているのに、いつ「片眉」に気づいたのか、そこだけは
思い出せないですね？！
ま、こんなことは被災された方々を思えば宇宙のチリほどのことですが・・・

精神的、物理的に窮地に陥った時って、人間のチッポケなこだわり諸々など
木っ端微塵になるもんです。

どんな場面でも冷静沈着でいられる人が羨ましいなと思います。
でもあの状況の中で眉を描き足してる自分を想像すると・・ヤダ～
だから・・・
こんな感覚レベルでもいいんじゃない？オタオタしまくってもいいんだと
自分に言い聞かせて無理やり納得・・・

そう思うとですね・・・
油やソースがこぼれ、食器が砕け散って足の踏み場もない台所で・・・
「いなり寿司には味噌汁がなきゃあな」と、絶え間無い余震の中で
ガスなんぞ使って味噌汁を作っていたオトンって・・・スゴイ！！

て、ゆーかオカシイ？？？て、ゆーかオバカ？？？
今でもあの時のオトンの感覚レベルがよく分からない私です。


２年を経た３月１１日午後２時４６分　TVからの音も消え静寂の内、黙祷。