崖っぷちロー

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東浩紀:朝まで生テレビ(その後2)

2009-10-27 23:42:46 | その他・趣味
※改行修正ここまで

先日の朝まで生テレビの勢いがまだまだ止まらないようです。
主に東浩紀氏が提唱する民主主義2.0(一般意志2.0)について、ツイッター上での議論が積極的に行われ続けています。
ただ、その中で、東氏の気になる投稿がありました。

>問題はそこで若手論客が「話聞いてくれない」と愚痴っているだけなこと。

>ただぼくは、「もしかりに」高齢者世代を「議論で」説得したいのであれば、
>先日の朝生の面子はどうも機能しなかったなあ、同世代としてふがいなかったなあ、
>さらにそれを「司会者のせい」にするの若い視聴者も甘いなあ、と思っただけの話です。


これについては、私は別の場所で意見を書いたのですが、それを再構成してここに書いておきます。

***
まず、先日の朝まで生テレビでは、東氏の以下の発言がその後の方向性を決定づけたと言える。

「高齢者がどんどん増えていく日本という国がこのままダメになるのは自明で、
今後は高齢者が得するような国を作るしかないのだから、
若者が差別されているとか損しているといった『若者論』をやっても意味がない。
むしろ高齢者が増えていくなかで、それをうまく回していく社会をどう作るのかという話をするべきだ」

http://www.j-cast.com/2009/10/24052476.html

これに対して、いわゆる「若者論」をやりたがっていた若者側論客達は、
残念ながら即座に切り返して場をコントロールすることが出来なかった
司会の田原総一郎は政治的な話が好きだから~という以前に、そもそもこれが問題であり、
若者側論客の最終的な敗因である(あえて敗れるという表現を使う)。


(1)若者側論客の準備不足
しかし、この東さんの発言は、そもそもテレビ放送開始以前にツイッター上において示唆されていたものです。

>朝生の打ち合わせでは若者論ではなく未来論を語りたいと言ってみたが、
ぼくのスタジオでの役割はヒール役というかボケ役になりそうだ。
一回かぎりのチャンスだと考えて言いたいことを言っておこう。


>世代間格差の本質は少子高齢化にある。
日本では有権者内に占める高齢者の比率はこれからもどんどん上昇する。
とすれば政策が高齢者よりになるのは当然で、それを阻止しようとすれば、
移民でもじゃんじゃん入れて若者の有権者を人工的に増やすか、あるいは高齢者の選挙権を止める(!)ほかない。


>で、どちらも現実的でないのだから、「若者は差別されてる」とか叫んでも意味がないんだよね。
この条件でやっていくほかないのだ。


したがって、若者側論客としても、朝まで生テレビに出演する他の人(=東氏)のツイッターを見れば、
自分たちの「若者論」が潰されると言うことは分かる。

そして、ここでいう「未来論」は従前の東氏の仕事を見ていればある程度想像が付くはずである。
少なくとも、今回の朝まで生テレビの議題と関連がありそうなものとして、
「思想地図2号特集・ジェネレーション」の座談会を読んでいれば、おおよそのアウトラインは把握できる。

そうだとすると、若者側論客としては、朝まで生テレビに出演する際の「予習」としてこの二つさえ抑えておけば、
本番の東氏の発言は「想定内」になったはずである。

もちろん、作家の城繁幸さんなどが、
番組の流れについて「だが今回は、まったく頭にイメージが浮かんでこない(笑)」というのは仕方が無いと思う。
しかし、赤木智弘氏や雨宮処凛氏などは、(私の認識では)論壇に立っているというポジショニングなのだから、
東氏の動向について注目しているべきではなかったか?
この予習不足が、若者側論客の敗因への第一歩である。


(2)若者側論客の議論の弱さ
また、城氏は、
>「勝ち目が無いから諦める」というのは、少なくとも僕の中にはなくて、あくまで徹底抗戦派で行くつもりだ。
というが、ならばもう少し踏ん張るべきであった。

東氏の議論というのは、長期的な視点に立った議論である。
若者側論客の「若者論」というのが、ソマリアで今まさに飢え死にしそうな人々をどう助けるか?という
対処療法的なレベルの議論であるとすれば、
東氏の議論は、ソマリアの政治制度を変えようという原因療法レベルの議論である。

対処療法だけでは、次々と飢えていく人々を根本的に救うことは出来ないし、
反対に、原因治療だけでは、今まさに餓死していく人々を救うことは出来ない。
両者は共に必要な議論なのであり(但し、東氏にとっては前者は退屈な議論である。)、
問題なのは、今この場(朝まで生テレビ)でどちらの議論を選択するかということである。


ここで、東氏は発言の冒頭で、「負けることが決まっている」という旨のことを言われた。
これは、あの場では対処療法レベルの議論=「若者論」が選択されるであろうと想定していたからだろう。
つまり、東氏としては、そもそも勝てる見込みのない勝負なのであって、
若者側論客が議論を(番組政策的にも)コントロールすることについては諦観していたのではないか。

若者側論客はここで踏ん張って、「若者論」をすることの必要性を徹底的に主張しなければならなかった。
にもかかわらず、これが出来なかった。
若者側論客が「若者論」の必要性を説得出来なかったことが、決定的な敗因である。

(3)若者側論客の連携の弱さ
その上で、東氏が指摘するように、「もっと若者の意見を聞いてくれ」という旨の主張は最初の1人が言えばそれで十分なのであって、
この主張が若者側論客同士で重複してしまうのは非常にもったいないことであった。

予定調和でやれという訳ではないが、若者側論客としては、事前に打ち合わせをして 、
互いの主張がそのレベルで被らないようにするべきではなかったか?

ここまできて、ようやくスタートラインに立てるのであり、
高齢者世代論客との中身の議論へと入っていけるのである。

***
そういえば、ベーシックインカムに関する話題はあまり見ませんね。
某掲示板で少し盛り上がったくらいでしょうか。

***
今、NHKでやっている爆笑問題の番組で出ている教授が……。
あの当時のロシアとの関係で、安全保障上、朝鮮半島が地政学的に極めて重要な位置にあることの説明が不十分すぎるでしょ。
いや、いまも重要ですけど。

***
ised面白いですよ→http://www.glocom.jp/



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