鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

また冷え込んで、最上小国川穴あきダム その2

2014-01-13 16:42:35 | お知らせ

 いやあ、きのうの天気がウソのようなきょうの冷え切った天気でした。 風もあり、ときどき吹雪くような感じにもなり、寒さが募る感じになります。

 きのうの午後、かつての職場の皆様方と会食をする機会がありました。

     

 新年会も兼ねているといってもいいでしょう。 女性が多かったこともあり、アルコールはなしの会食で、夜ならアルコールがないと寂しいですが、お昼はない方がすっきりします。 別に飲まなくても話しは弾みますし、極めて健全な会食と言えるでしょうか。

         

 これに天ぷらともう一つ何か、そしてご飯、味噌汁がつきますし、デザートやコーヒー等もつきました。 私はあっという間に完食しました。

 

 きょうは月曜日で、午前午後ともに予定が入っていますので、河原の写真は午後3時15分以降のものとなります。 河原の空気は余計に冷たさが感じられますが、上空だけを見る限りではすっきりしているように見えます。

 

 その上空をトンビが楽しそうにゆっくりと風に乗って、風と戯れながら飛んでいました。

                     

 

 我的太太(=妻)が言うには、午前中は凧揚げしている家族も多かったとか。 成人の日で祝日ですね。 河川敷きに車を止めて、正月の松飾をもって大崎八幡宮に向かう人たちも多かったと言います。 あしたは国宝大崎八幡宮のどんと祭の日です。 雪が降らないことを祈っています。

 

 (以下は、最上小国川ダムに関する まさのあつこ さんの「ガラパゴス化する 日本の河川環境行政  最上小国川『穴あきダム』計画への疑問」という岩波書店の月刊誌「世界」1月号に掲載されている論考の紹介です。 1月10日の続きですが、できましたら1月7日、10日のブログも併せて読んでいただければ幸いです。

 治水の対象となる地域は、ダムサイト予定地の下流2キロにある”赤倉温泉”(宿は10軒ほど)で、ここを50年に一度の規模の洪水から守るためのダム建設ということになります。山形県はダム本体の建設には着手できないため、工事用道路や仮の水路などの周辺工事に着手し、既成事実つくりが着々と始まっています。

 赤倉温泉で3軒の温泉宿が営業を始めたのは100年ほど前のことで、3軒が建っている場所はもともと川であり、川を掘ったら湯が出るので、温泉として営業を始める前は露天の村湯として使われていたとのこと。 20年使ってるとその土地は私有地になるといいます。

 ここにはもともと木を組んで水を堰き止め、ボートを浮かべたり、温泉の湧出量を増やすための堰があり、土砂が貯まって洪水になると、木組みと一緒に流されて土砂が貯まり続けることはなかった、いわば”可動堰”だった。それを県がコンクリートに変えたことで、水位を下げるためにダムを作るしかないということになり、それが現在の穴あきダム建設につながっているようです。

 驚いたことに、赤倉温泉最古の温泉宿の主人は、温泉組合では、かってダム反対決議をしようという動きがあったが、県からの根回しがあって賛成に動いて行ったと言っているそうです。 

 時期的には1980年のことのようで、自民党が全国的にダム計画を77ヶ所つくり、割り当てたということです。 最上町にも一つ作れということで、それじゃ最上川につくるということになり、地元選出の国会議員と最上町長が組んで候補地を絞った結果、赤倉温泉となったもので、住民が要求してダムを作ってくださいといったダムではない、ということです。

 それを受けて山形県が実際に動き始めたのは、11年後の1991年といいます。

 ≪ マスコミでは報道されていない、地元の歴史、泥臭い歴史があるのですね。それにしても動機が不純で、今も脈々と繋がっている土建国家そのものの歴史のようです。 ≫

 (著者は次に小国川の素晴らしさを語っています。)

 現場はヤマメの産卵場所であり、スナヤツメの生息域であること。 さらにこれが一番ですが小国川の鮎は昔から”松原鮎”と呼ばれ、美味しさには定評があること。その美味しさのもとはコケで決まるが、それは小国川の土や木が絶妙であり、コンクリート護岸で固められていないからこそであること。

 小国川の鮎の経済効果について、近畿大学農学部准教授の、2011年9月の小国川に来た鮎釣り客に対して実施したアンケートをもとに経済効果を試算した結果、経済効果は年約21億8000万円となった。(算出根拠は、年券(9000円)を買った釣り客が2339人、訪問者は延べ30000人、それにオトリ代、ガソリン代、鮎釣り仕掛け代、ウエア等)

 鮎が釣れなくなった等の鮎資源の劣化で年間10億円規模の損失となる。

 ≪ 鮎が釣れなくなった川には我々釣り人は行きませんからね。その川はすぐに釣り人から見放されてしまいます。 ≫

 県知事の考え方は、最上小国川流域環境保全協議会の審議結果に基づき、流水型ダムの場合、水温、水質等がダムのない場合とほぼ同様であると考えられるところから、鮎などの生育や生態に対して影響は小さいと考えられる、というもの。

 ≪ でも、この考えはまやかしであることは1月10日のこのブログをご覧ください。≫

 高知県在住のたかはし河川生物調査事務所長は、鮎に対する濁りの影響はより詳細に検討されていて、穴あきダムによって濁る時間が長引くことによって、鮎に対して大きな影響を及ぼすことが考えれること、また穴で洪水を絞ることによって下流で水がかき回される強度や頻度が低くなることによる影響もあり得る、と。

 (アメリカの例を引いて) 外国では、生物種の減少を抑制するために開発規制力の強い「種の保存法」に加え、環境影響を回避、低減、代償させる原則、事業を行わなければどのような不都合が起きるのかや、過去、現在、見通せる限りの未来にわたる累積的な影響を比較させる代替案を最新の知見に基づいて比較することを必須とする「国家環境政策法」などの存在があるが、日本版「種の保存法」は、公共事業には適用しない、たとえ絶滅危惧種がいたとしてもその生息地を守る強制力すら持たないし、「環境影響評価法」は評価手続が単なる通過儀礼で終わるなどの数々の欠陥をもっていると嘆き、つまりガラパゴスぶりは穴あきダムの設計だけではなく、河川環境を含むあらゆる自然・生活環境を守る環境法全体に言えることであり、最上小国川ダム計画はそのことを示すほんの一例なのである、と結んでいます。

 著者の言いたかったことを繰り返します。

 管理の省力化の発想から来た穴あきダムと、環境影響を抑えて治水を試みる流水型堰では何もかも違う。  それなのに、日本では「環境に優しい」と、実際とは違う効用だけがいいとこ取りされ、「ダム建設目的」の最後の切り札として利用されてきたというのが実情だ。(P 246)


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