鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

何と空気の冷たいこと!穴あきダムについて

2014-01-10 16:13:46 | お知らせ

 いやあ参ってしまいますね、この寒さ、空気の冷たさには。 天気予報で前々から言われていたことではありますが、やはり実際に予報どおり寒いと”嫌に”なってしまいます。 (きのうのブログを書いた時間では、寒かったものの確かに陽射しがあって、寒い中にも何とか我慢はできたのですが、その後曇って来ると同時に空気も一気に冷え込んできました。雪もチラホラ舞ったりして冷え込みが厳しくなってきょうに至っているわけです。)

 14日の大崎八幡宮のどんと祭のときも気温は低いようで、長時間の立哨は今から思いやられます。去年は雪の中もうどうしようもないくらい凍えました。正直なところ思い出すだけでも嫌ですねえ。 でも足から腹、背中にもホッカイロを貼って厚着して立哨します。雪だけは降らないでほしいですね。 神様へのお願いです。

             (写真は午前11時20分以降の撮影です。)

       

 この前小国川のダム建設に関して、山形県が漁業権を盾にとって小国川漁協に不当な無言の圧力を加えているということをお知らせしましたが、岩波書店の月刊誌「世界 1月号」に興味深い記事が載っていましたので、お知らせします。

 (今の世の中もっともっと読まれるべき雑誌です)

 こういう内容のルポです。 著者はジャーナリストの まさのあつこ さん。

        

 「ガラパゴス化する日本の河川環境行政」 その中でも現在進行中であり、係争中でもある 「最上小国川『穴あきダム』計画への疑問」 と題して、新聞等では報じられていない興味深いことも紹介しています。 というか新聞等の報道はいかに省力化されているか、新聞記事等と比べて見るとよくわかります。 1月号なのでまだ大きな書店に行けば在庫しているはずですので、是非とも購入して熟読し、ご自分の考えをまとめられたらどうでしょうか。 税込840円です。

      (分流の上流域) 

 最初は総論的なことから入っています。

 南海トラフ巨大地震対策特別措置法案や首都直下自身対策特別措置法案、さらに国土強靭化基本法案、社会資本のメンテナンスのための長寿命化計画等、「従来の行政計画の上に、新たな計画がドンドンと積み上がっていく様相」を住民不在のまま進められていることを嘆き、「日本の公共事業は、行政による行政のための行政計画でがんじがらめに硬直している」

     (分流の下流域)

 次に「穴あきダム」について論じていきます。 いろんな学者や研究者の説を掘り起こしながら論を進めています。

 環境に優しいという触れ込みで進められている穴あきダムであるが、そもそも日本の穴あきダムは、環境に優しいと言って始まったものではないと言います。 「ダム管理の省力化のために生まれたものだと。 大学教授が言うだけではなく、建設省土木建設所の所長も1986年の「土木技術資料」の中で、年々ダムの数を増やしていくと早晩ダムの維持管理の合理化・省力化が強く要請されるので、孔あき坊主と呼ばれるゲートを使用しない自然調節方式の採用を唱えていたそうです。

           

 20年間注目されなかったが、ここ10年で「環境に優しい」の触れこみで、「治水専用の穴あきダム」として進められるようになった。 穴あきダムは、現在「益田川ダム」(島根県)、「辰巳ダム」(石川県)が完成していて、計画は「立野ダム」(熊本県)と「最上小国川ダム」(山形県)があるようです。

 実際問題として今の水害の原因は何かをみていくと、川から溢れてくる被害ではなく、集中ゲリラ豪雨などで行き場を失って、床上浸水したり、都心の地下鉄や地下街などに水が流れ込んだりする、いわゆる「内水反乱」被害が断トツに多くなっています。 2番目に多い「無堤部逸溢水」も、小さな支流の末端で堤防がないところから溢れるものが多いとのこと。

 山形県でも、水害被害額の内訳のうち、内水被害が、2007年で95%、2008年で99%、2009年で94%を占めているそうです。

 

 それでは、環境に優しいという理由で多目的ダムが治水専用ダムに形を変えてまでダム建設が続けられるのはなぜか?それは穴あきダムの目的はダムを作り続けることにある」から。

 現在穴あきダム推進の支柱となっているのは、京都大学防災研究所の角哲也教授だそうで、彼は今まで世界各地の穴あきダムを現地踏査し、「流水型ダム」と称して多くの論文で紹介してきたようです。

 次に流水型ダムと「日本の穴あきダム」とを比べてみます。 似て非なる3つの違いがあるそうです。 角教授への反論です。

 (寒さに負けずに生きていました) 

 ① 日本で穴あきダムと言えば、必ず河道を遮る形で設計されているが、フランスやアメリカではダムは川の外に造られていて、川が溢れたときに川の水を外に流す、河道外遊水地であること。

 ② 近年欧米において河道内に設けられた穴あき構造物では、その穴が川底よりも低いところまで掘り込んであり、水も魚も自由な行き来が不可能ではない構造となっていること。

 ③ 日本では15メートル以上の高さがなければ「ダム」とは呼ばないが、教授が紹介したダムは平均の高さが12メートルしかなく、河床よりも低く掘り込んだ開口部を設けたが、日本では「流水型ダム」と紹介されてきた。

      (鋭い眼光)

 人為的な操作や管理が必要となるゲートを設けないという設計思想で始まったために、旧来型の設計で使えるものはそのまま受け継がれてきているということです。 そのため、ダムの下流側には、穴から出てきた水が河床を掘らないように受け止めるコンクリートのプール(「副ダム」)が設けられ、さらに穴から河床に落ちて跳ね返る水(跳水)で護岸が崩れることを防ぐ「エンドシル」と呼ぶ構造もがっちり設けられています。

 副ダムやエンドシルは「減勢工」と総称され、ダムの上流側と下流側は断絶され、魚道がなければ魚も行き来できない構造となり、水は澱んで溜っているということになり、流水や生き物の往来を可能にした欧米で造っている構造とは違うということです。

 それなのに、日本では「環境に優しい」と、実際とは違う効用だけがいいとこ取りされ、「ダム建設目的」の最後の切り札として利用されてきたことになります。

  (鮎を食べたことがあるのかなあ) 

 以上は総論的なことで、以下小国川ダムの問題点等について過去に遡って検証していますが、それは次回以降にさせていただきます。(すみません)

 


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