鮎と戯れて・・・魚族に感謝

東北地方を中心とした短い夏のあまり多くない鮎釣りの記録。家族に感謝して。近くの広瀬川の環境等にも拘るも、オフは時事問題も

広瀬川の水質

2007-05-08 22:31:48 | お知らせ

 仙台市衛生研究所は「情報広場ーinfosquareー第19号」(2006年12月)を発行しました。その中で、広瀬川の水生生物調査について報告しています。

 水生生物から川の水質を調べられるそうで、専門家向けではなく、一般市民向けの簡単な報告です。 初めて聴く言葉がかなりありました。

 

 方法としては、広瀬川の8地点にてDフレームネット(こう書くと何か分かりませんが、「網の枠がD字型の虫取り網」だそうです。)を使って、”キック・スイープ法”で水生生物を採取し、採取した試料を70%エタノールで固定後、双眼実体顕微鏡を用いて”科”のレベルまで同定し、”スコア法”で水質の評価を行うというものです。

 

 物は言いようとはよくいったもので、”キック・スイープ”ときくとピンときませんが、何のことはない、網を下流側に立て、その上流部を足でかき回し、網で掬い取るというもので、普段我々が川でやっているやり方です。

 ”スコア法”は、英国のBMWPスコア法を元に、環境省や地方環境研究所のワーキンググループが検討し、わが国に適用した方法で、”科”ごとに設定されているスコア値を用いて、採取された水生生物のスコア値の総和TSを「科数」で除したASPT値で水質を評価するもの。

 1~10の数値となり、大きいほどその地点の水質は良好と判断するそうです。

 

 その結果は、8箇所全ての地点でASPT値が6.6以上であり、『広瀬川の水質は上流から下流までおおむね良好である』そうです。

 1983年にも調査を行っており、そのときの調査結果からスコア表を作成し、2006年と比較できるようになっています。比較の結果、『20年前に比べて、広瀬川の下流域の水質は改善された』といっています。

 確かに下流域の⑦と⑧の数値は、5.1⇒7.1、5.3⇒6.8と数値が大きくなっているので、水質はよくなっているとはいえるのでしょう。

 「上流から下流までおおむね良好」といっている2006年と1983年を比較してみると、次のようになります。先の数値は1983年

 ①最上流部7.0⇒7.6、②7.2⇒6.6、③7.2⇒6.7、④7.1⇒7.1、⑤7.0⇒6.7、⑥6.6⇒6.6、⑦5.1⇒7.1、⑧最下流部5.3⇒6.8、となります。 

 改善されたのは①⑦⑧のみで、同じ数値は④と⑥、悪化したのは②③⑤であり、これではやはり全体として改善されたとは言えず、「下流域」のみ改善されたとしか言えないのでしょう。

 全体としては良くも悪くもなっていない、ということになるでしょうが、私に言わせると最上流部はよくなったものの上流部は悪化しているわけで、このことのほうが好ましくないといえると思うのですがどうでしょうか。

 

 私が定点観測(撮影)している澱橋(⑥がそうです)は、両年とも6.6と変わりませんが、2006年では一番悪い水質となっています。残念ですが。

 流れがなく、名前のとおり澱んでいるからでしょうか。以前は、いい石が入っていて”鮎釣り銀座”と言われた地域だったのです。

 

 写真は、堤防に咲いている八重桜です。


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