「毛糸、紡いでみます?」
どういうきっかけやったか忘れてしもたけど、そう声かけてくれた人がいてはって、
先月中頃から時々、その人のおうちに通うようになった。
畑仕事を休める雨の日ぃ選んで、1週間か10日にいっぺん、毛糸の紡ぎ方教えてもろてる。
最初は、スピンドルゆう、柄の長いコマみたいなの使こうて、糸つむぎの原理を教えてもらう。
このコマの先っぽを床につけて、手ぇで時々クリン、クリンて軸回しながら、引き伸ばした羊毛をくるくる巻き付けていく。
これ、巻き付ける前に羊毛の塊を細うに引き伸ばすのが難しい。
太すぎたり、毛玉みたいな塊がぼこぼこできたり、
急ごとして、ブチッてちぎれてもたり‥‥。
でもまあ、総て自分の手ぇだけでやってることやから、
そうおぞましいことにはならんですむ。
おとろしいのは、これ。
紡ぎ車なる道具。
スピンドルやったら手ぇでクルクル回してた作業が、
この紡ぎ車のバヤイ、踏み板を足で踏んで大きな車を回すことになるんやね。
作業が楽にスピードアップする便利な道具なんやろうけど、初心者にはこれまた鬼速い。
車をゆっくり回そとしたら逆回転してまうし、
回転のスピードに間に合うように羊毛引き伸ばそとしたらブチブチ切れるし。
もう、わあわあいいながら習ろてます。