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祝・モーリタニア・イスラム共和国建国記念日2017~異論の中で新国旗と新国歌

2017-11-28 21:10:50 | アフリカ情勢
きょう11月28日はモーリタニア・イスラーム共和国の第57回目の独立記念日である。モーリタニアの友人諸氏、関係者の皆様にお祝いを申し上げたいと思う。

砂漠の国、砂漠の奥深く、どこまでもどこまでも土漠、岩石砂漠、歴砂漠の荒涼とした風景が続く。イスラームの国、クーデターや軍政が繰り広げてきた国。日本的には「タコ」の国?なんにせよ、キャラのたった国である。

かくいうンボテも頻繁に訪問していた国。思い入れがある。ということで、過去にもたくさんのモーリタニアについての記事を書いている。よかったらご参照を。

祝・モーリタニア・イスラム共和国建国記念日
2016 砂漠と政変とイスラムと 
2015 その1 砂漠とイスラームの国 
    その2 永遠の友人 
2013 


そんなモーリタニアの独立記念日、今年は特別だ。この日をもって国旗と国歌が変更される。


フランス国際ラジオ放送(RFI)によれば、この国旗、国歌の変更は8月5日の憲法改正国民投票を経て採択された。主導してきたのは、モハメッド・アブデルアジズ大統領だ。緑地に黄色の新月が描かれたかつての国旗は、上下を赤い帯で染められれた。赤い帯は独立闘争の中で流された血を意味するという。

(左が旧国旗。右が新国旗。)


しかしこの国旗、国民の総意で変更された、とは言い難い。当局は「1年前の政治対話の成果」と述べるが、野党はこれに強く反発。急進派野党は政治対話ををボイコットした。また上院議員も憲法改正に激しく反発した。それもそのはず、国旗、国歌のみならず、改正憲法法案では当初、「上院の廃止」が含まれていたからだ。この反対議員の中には「汚職の咎」で拘留されている者もいる。


他方、国歌の変更についてはそこまで炎上していない。以前の国歌は古来の楽曲にイスラームの詩が載せられたもので、愛国新にもとるものと考えられていたからだ。新国歌は40名からなる詩人や知識人を集めて検討され、独立の英雄と愛国に訴えるものとなった。エジプト人作曲家がメロディを付けた。

新国歌は全体を通じてアラブの世界観であり、曲調となった。モーリタニアで暮らす人々の多様性が反映されなかったことは残念、との見方も呈されている。「白モール」と「黒モール」、セネガル系移民問題、奴隷制の残存など、まだまだ闇の残るモーリタニア。新しい国旗、国歌も、異論含みのスタートとなった。

(おわり)

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