ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

祝・モーリタニア・イスラム共和国建国記念日!

2013-11-28 07:30:37 | アフリカ情勢
今日、モーリタニアが独立53周年の記念日を迎える。

モーリタニアといえば、日本ではタコでおなじみの国。スーパーではモーリタニア産のタコがパックされ、ずらっと並べられている。

ンボテもセネガル駐在の頃、もっとも足を運んだ国として愛着がある。


西アフリカでのこの国のイメージは、砂漠の国。そして敬虔なイスラムの国。なんといっても正式国名がモーリタニア・イスラム共和国だ。


飛行機が首都ヌアクショット向け高度を下げる。海岸線まで迫る砂漠。その砂の中におりて行く。目を凝らすと、砂の中に浮かび上がる凹凸。そこに建物があり、生活が息づいていることに、やっと気づかされる。

(写真・首都ヌアクショットの風景)


(写真・首都ヌアクショットからキファに向かう車窓から)


アフリカの雨事情(2)の中で述べたが、首都から地方へ一歩出るとそこは砂漠。いや、土漠と言った方が良いか?岩石砂漠もある。インディージョーンズの舞台セットのような光景が延々と続く。


そして岩盤の割れ目の奥深く、絶壁に包まれるように存在する緑の空間、オアシス。岩の切れ目から水辺に指す木漏れ陽。ここが砂漠の中であることを忘れさせる。自然ってすごい。

砂漠の中で生きるのには自然の水源が必須だ。水に人が集まり、そこが街になる。人々は移動性が高く、季節により人口が激しく出入りする。我々の生活の枠組では、およそ彼らの日常、風俗は説明がつかない。


そしてもう一つの特徴はグラデーション。アフリカとアラブ。黒い人と白い人。グラデーションの中に国がある。今でこそ、民族共存を目指しているが、長く奴隷制の慣習が残ってきた。今でも民族融和が社会的テーマだ。


この国、残念ながらこれまで、政治的安定を見ることがなかった。2004年(未遂)、2005年、2008年と繰り返されたクーデター。ちょうど今、国民議会選挙と地方選挙が進行しているが、来年の大統領選挙にむけ、そして真の民主化に向けた試金石といわれている。

ンボテは2007年、民政移管に向けた大統領選挙期間中に、モーリタニアに滞在していた。ゴルゴル川沿いの村に泊まった夜、候補者の対談をモーリタニア人とともにラジオで聞いた。表面的、形式的な討論。冷ややかな人々の感心。道のりの遠さを感じたのが思い出される。


近年ではイスラム武装勢力の伸長が国や地域の安全に大きな影を落とした。2009年頃には首都ヌアクショットやその近郊でもテロ行為が見られたが、その後は許していない。しかし、隣国マリとの関係で、治安問題はナーバスだ。これまでマリ支援に対しては一線を画してきた。しかしこの度、国連マリ安定化ミッションに対して、自国国境隣接地域に限定して、モーリタニア軍の部隊を派遣すると表明された。


静かながら、あまりに強烈な個性を放つ国。そしてここでは触れられなかったが、前史はガーナ帝国の興亡など、西アフリカの歴史の一つの極となってきた土地でもある。民主化と治安の安定、サヘル情勢、不透明な要素はあるが、ポテンシャルのある国。モーリタニアのこれからを、興味深く見守って行きたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。