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コンゴ民主共和国でまた大鉄道事故!〜悲劇は繰り返される

2017-11-14 11:20:00 | アフリカ情勢
13日、コンゴ民主共和国南東部で鉄道の脱線事故が発生。コンゴ当局によれば、これまでに少なくとも33人が死亡、26人が重傷を負った。

(事故を報じるRadio Okapiウェブサイト)


現場はブヨフェという、コンゴ南東部のカタンガ地方、ルアラバ州に位置する。アンゴラ、ザンビア国境に近い。現場には多数たくさんの下敷きになった乗客がいる模様。しかしコンゴの事故の例に漏れず、現場付近は雨季を迎え、アクセスが極めて困難な劣悪な道路状況。加えて、この州だけで497.000 km2、日本よりふた回りほど大きく、ほぼスペインの領土くらいの大きさがある。救出作業の難易度は想像をはるかに超える。

列車はコンゴ国有鉄道(Société nationale de chemin de fer du Congo : SNCC)が運行。13両編成の貨物列車で石油タンクも連結していた。しかしそのには本来いるはずのない、数百人にのぼる違法乗客が乗り合わせていた。事故現場は緩い下り坂で、モーターが過回転を見せると、やがて列車は渓谷に突っ込んだ。衝突の衝撃でタンクに引火した。


コンゴ民主共和国での鉄道事故はもちろんこれが初めてではない。2014年4月には同じカタンガで74-200名が死亡する列車事故が発生。2007年8月には西カサイ州で100人を超える死者を出す事故も発生した。

お隣コンゴ共和国では、2010年6月に港のあるポワントノワールと首都ブラザヴィルを結ぶ鉄道で大事故が発生、60人を超える死者を数えた。


記憶に新しいところでは、昨年10月、カメルーンで発生した列車事故では、80名内外の死者を出した。今回の今後での事故は、カメルーンでの事故の公判スタートが報じられた矢先でもあった。

カメルーン列車事故の余波
前編 未曾有の事故はなぜ起きたか?
後編 注がれる厳しい視線


いやいや鉄道だけではない。先日、ぶら★アフでは史上最悪級の海難事故、セネガルのジョラ号事故についてもご紹介した。1,953名が命を落とした。

セネガル、ジョラ号の悲劇〜海難事故は繰り返されるのか?


アフリカで繰り返される公共交通機関の事故。一度起きれば乗客・乗員の命に直結する。事故の背景には安全に対する運行側の意識の問題、安全に対するコストや費用の意識が大きく作用している。そして犠牲者の多くは、経済的理由から他のチョイスがない貧困層であることが大半だ。

紛争や内乱以上に頻繁で身近な、死に直結するリスク。しかし、これまでの事故を通じ「二度と悲劇を繰り返さない」との強い決意が感じられることは、まれであった。事故に対する原因の究明や対策に当てられる費用、そして何より関係者によるたゆまぬ努力が払われない限り、残念ながらまたこのような惨事は繰り返されることになるだろう。


(おわり)

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