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フランス・マクロン大統領のアフリカ政策演説(1)〜ブルキナファソ・ワガドゥグ大学講演会

2017-11-29 13:20:40 | アフリカ情勢
27日、コートジボワールで開催されるEU・アフリカサミットに合わせ、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がアフリカ三カ国、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナへの外遊に出た。

そして翌28日10:30、ブルキナファソのワガドゥグ大学で約800人の学生に対して、注目の「アフリカ政策演説」(le discours de politique africaine)を行った。トマ・サンカラ暗殺、対テロ作戦、移民、若年層…その内容は多岐にわたり、実に2時間近くに及んだ。


同日、Jeune Afrique誌ウェブサイトでは、「マクロン演説で押さえておくべきこと」(ce qu’il faut retenir du discours d’Emmanuel Macron)と題する記事で、その概要を速報している。




少し内容を紹介してみたい。

◆トマ・サンカラ暗殺の真相は?仏政府の関連文書公開を約束
マクロン大統領の演説は、87年に暗殺に没した「革命家」、トマ・サンカラ元大統領への敬意からスタートした。学生は拍手でこれを受けとめた。マクロン大統領は、ブルキナファソのクリスチャン・マルク・カボレ大統領との共同会見において、「ここまで国家機密とされてきた、(サンカラ)元大統領暗殺に関する文書を公開し、司法当局の裁判の用に供する」ことを約束した。

これに関し、会場での学生の質問に答え、「サンカラ体制下、また暗殺後に関する仏政府行政文書についてはすべて公開し、ブルキナファソ政府の司法当局に提供する。」と再度確認した。

未亡人のマリアム・サンカラ女史はこう述べている。「文書公開は長年求めてきたもの。中に何が書かれているのか、そして裁判がどうなるのかに関心を移していきたい。」

◆サヘルにおけるテロとの戦い
サヘル地域では、マリの国家分断、イスラム武装勢力による北部地域の実効支配化のあと、対テロ作戦を実質的に主導し、作戦展開してきたのは仏軍だ。2013年からのサーバル作戦に引き続き、現在バルカン作戦が展開する。

ほどなく、国連マリ多次元統合化ミッション(MINUSMA)が展開し、現在ではテロと対峙する当事国サヘル五カ国グループ(G5 Sahel)による共同警戒も展開されている。本来もっとも正面で作戦展開することが期待されるG5 Sahel、しかし予算不足と遂行能力の点で、思うような作戦が展開できていない。

「G5 Sahelとの協働を、いっそう加速化させていかなければならない。」マクロン大統領の語気が強まる。「初動作戦では所要の成果があった。テロリストたちに一撃を加え、ともに勝利を勝ち取ろうではないか。不法なテロ勢力との接触には地域機関の果たす役割が大きい。かれらのの能力強化こそ必要なのだ。」

「フランソワ・オランド大統領による介入の意思決定を評価したい。フランスはいつもアフリカの側にいた。アフリカがフランスの側にいたがごとく。」

ある学生はこう質問した。「ブルキナファソ学生の仏留学者数は、仏軍兵士の数に見合わないが?」。対するマクロン大統領「仏軍兵士たちにすべきこと、それは拍手を送ることだ。」いらだちながら答えたという。


「私はアフリカにあれこれ指図するようなことはしない世代の人間だ。」



◆移民危機「人道に対する罪」
CNN報道により明らかになった人身売買オークションと現代の奴隷の存在。
リビアで繰り広げられる「現代の奴隷」物語(1)〜移民たちの過酷な旅

マクロン大統領はこの「人道に対する罪」を強く非難した。「私が不可避的な旅路と名付ける悲劇には、史上最悪の災難が待ち受けている。かかる不合理には力で対処しなければならない。」

また、アビジャンのEU・アフリカサミットにおいて、「テロ勢力と武器不法取引を終結させるイニシアティブ」を提案することに言及した。

女子学生の質問に答えたマクロン大統領。「誰が移民マフィアなのか?それはアフリカ人自身だったりするのだ原因が外在するとか、思ってはいけない。」

演説はさらにつづく。

(つづく)

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