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中国・習近平主席『テロと戦う』~マリ・バマコ襲撃事件

2015-12-01 07:30:16 | アフリカ情勢
イスラーム武装勢力によるテロが相次いてしまった今年、そして11月。先日は再びチュニジアで悲劇を知ることとなってしまった。


先日、11月20日に発生したマリ・バマコのラジソンホテル襲撃事件。国際社会からもテロに対する非難の論評が多く出されたが、今回ちょっと目を引いたは、、、中国の反応だ。

(Cameroun Libertyウェブサイトより)


21日、ロシア・トゥデイ紙の記事によれば、習近平主席は、ウラジミール・プーチン大統領と足並みをそろえて'Daesh'のテロリストを非難。今回の事件、21名の犠牲者のうち6名がロシア人、3名が中国人だったのだ。


習近平主席は自ら、残忍で野蛮な攻撃だ、と激しくテロを非難した(avoir violemment condamné)。犠牲になった3人の中国人は中国鉄道建設公司の従業員で、他の4名は難を逃れたという。

『今回、テロ組織が人間的良心も道徳的規範も顧みることなく、暴力をもってこのような冷酷な行為に至ったことに疑いの余地はない。中国政府はこのような非人間的行為を強く非難する。中国は国際社会との連帯を強化し、国際社会の平和と安定のために、善良な命をテロで奪おうとする勢力に対し、強い意志をもって闘っていく。』

また新華社通信は、李克強首相が今回のテロの犠牲者に哀悼の意を表するとともに、治安当局に対し、海外における中国人の安全の確保に向けあらゆる措置を取るよう指示した、と伝えた。その後も中国政府は数次にわたりマリのテロを批判、また関連の論評を続けた。今回の反応はいつになく過敏であり、背景が気になるところだ。しかし確かなのは、中国当局も自国民の海外での安全に極めてナーバスになっている、ということだ。


実は先のパリの同時多発テロにおいても、中国は洪磊報道官が記者会見の中でテロを激しく非難した。
「中国は13日夜にフランスのパリで発生した同時テロ事件により多くの死傷者が出たことに深い驚きを覚え、このたびのテロ事件を強く非難する。・・・テロは人類が直面する共通の課題であり、中国は国の安全を守り、テロと戦うフランスを断固支援する。」(人民網日本語版)


これまで国連による平和維持活動は別にして、長きにわたり他国への不介入を標榜してきた中国。この演説が示唆するとおり、北京が今後、本当に「テロと戦う」ために「国際社会」と協調し、陸上部隊や空軍を派遣することにつながるのか。「国際社会」とはいったい誰なのか?

「中国人民解放軍は2百万人兵士を擁し、このことはDaeshに対しても大きな脅威になる」とロシア・トゥデイ紙。注目が集まる。

そういえば今週は南アフリカで中国・アフリカ協力フォーム(FOCAC)が開催され、習近平主席も自ら足を運ぶ。中国にとって古くからの友人であるアフリカ。その朋友たちに向けられるメッセージにも注目したい。

(おわり)

(2013年6月のJeune Afrique誌より)


アフリカと中国 全9回シリーズ
まとめブログ記事


マリ・バマコ襲撃から読み取れるサヘル地域イスラム武装勢力図

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