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ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

祝・カメルーン共和国統一記念日(2)~32年目の憂鬱

2014-05-21 07:30:14 | アフリカ情勢
昨日アップした「カメルーン共和国統一記念日2014(1)~ナショナルデーのその訳は?」につづき、きょうもカメルーンについて、お話を続けよう。


さて、現代のカメルーン。この国は石油を産出する他、天然ガスの開発期待がますます高まる。先述の森林、包蔵水量も有効資源だ。さらにドゥアラ港は内陸国を含めたコンテナ貨物の要衝となるほか、クリビ港にはバルクもの(コンテナ貨物ではない資源や液体、気体などの貨物)を中扱う機能が整備されつつある。いずれにせよ高い経済・開発ポテンシャルを持つ。

しかしなぜかわからないが、私の目には開発や経済政策が積極的、ダイナミックに動いている感じがしない。マクロ経済の構造や動きも、あまりにパッシブな印象を受けるのはわたしだけだろうか。


カメルーンの現政権、ポール・ビヤ大統領が政権についたのが1982年。以降、ビヤ体制は実に32年を数える。

(Jeune Afrique 2011年2647号「カメルーン・ビヤ大統領~一体いつまで?」)


カメルーンは一見、明るさや陽気なイメージが先行するが、イメージとは大きく異なり、仕事をするのはなかなか大変な国だ。その大変要因の一番は何と言ってもガバナンスの不機能だろう。そもそも多様性の中で地縁・血縁がきわめて重要な意味を持ってきた国。そしてカネと利権。これらのことが大きく関係しているように思える。そしてそれは上記で述べた、ダイナミズムの欠如の一因なのかもしれない。


ビア大統領は長期政権維持のためのいろいろな政策を用いてきた。たとえば利益均衡。大統領は南部の出身。他方、首相は旧英領、国民議会議長は北部、など、トロイカ体制を敷き、地域ごとに利益配分する。また定期的な「魔女狩り」により、力をつけてきた政治的有力者の刈り取りを行なってきたとも言われる。長期政権による「安定」のもと、他方で社会の矛盾やひずみが蓄積されている懸念が残る。

近年では、ビヤ大統領の健康問題がささやかれているのみならず、彼は年のかなりの時期を海外、特にフランスで過ごしていると言われる(convalescence)。彼の実効力はどれほどなのだろうか。また急に政権が変わるリスクを織り込んでおくべきなのだろうか。すでに過去ログでもしばしば触れているが、ドナー関係者の間では、そろそろポスト「ポール・ビヤ」体制を想定しておかなければならないのでは、という話もしばしば話題に上る。


さて統一記念日に湿った話が増えてしまった。次回はお口直しに少々、楽しい話を続けたい。

(つづく)

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