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【続報】ガボン大統領選挙(10)〜法の番人による謀反は起きるか?

2016-09-11 07:30:57 | アフリカ情勢
ほぼ10日間にわたって連載となっているガボン情勢。

ここまでのアップ記事↓
第一報 選挙後危機の始まりか?
第二報 現職アリ・ボンゴ当選、のち荒れ模様
第三報 続報・リーブルビルで騒乱が進行中
第四報 緊迫する戦線に異常あり!続く騒乱
第五報 正常化への道のりか。。。
第六報 二人の大統領?ジャン・ピンの誤算
第七報 小康状態
第八報 アリ・ボンゴ語る!
第九報 疑惑の憲法裁判所へ


10日のブログ記事で、異議申し立て手続きのプロセスに入り、憲法裁判所の判断を待つこととなったことを書いた。憲法裁判所長がアリ・ボンゴ氏の側近であり、まともな判断が行われないシナリオ。逆に国際社会のプレッシャーの中、法の番人の大義を立てるというシナリオ。もしくは判断を避けて辞任するようなシナリオをあり得るか。こんな話を書いた。

そうしたところ、10日、11日付仏紙リベラシオンが、そのシナリオにも関係する興味深い記事をと載せている。

(同日のリベラシオン紙。一面の写真のほうがより気になるって?笑)


Gabon: des <sages> pas vraiment impartiaux
ガボン: 必ずしも公正ではない「賢人」たち

記事にはこうある。

ガボンにおいて、かつてここまで法の判断が待たれたことはない。8月27日の大統領選挙で5,594票の僅差で勝者となったアリ・ボンゴ候補に対し、野党ジャン・ピン候補は大掛かりな不正があったとして「正当な選挙によって選ばれた大統領」であると宣言した。憲法裁判所は両者の裁定を下す立場に置かれている。

裁判長はマリ・マドレーヌ・ムボランツォ女史(61)。オマール・ボンゴ(前大統領でアリ・ボンゴ候補の父)の情婦といわれた。一族の体制維持のために蔑ろにされてきた最高裁判所を取り仕切る。

「ムバランツォ判事は1991年、開設とともに裁判所に任命。1998年から長官を務めた。」と、市民団体ガボン・デモクラシーのスラビアナ・ンゼ氏。「憲法では最高裁判所の判事は7年任期で、任期延長はは一回まで。ムバランツォはもう11年も過ぎている!ボンゴとムバランツォはお互いを必要としている。」

ボンゴ一家の地盤、上オグエ州では99.9%の投票率、95パーセントの得票は監視団にもにわかに信じがたい数字だ。欧州の専門家は不規則性を指摘する。「297の投票所のうち174の開票調書を入手している。「61,000有権者のうち、すでに11,000票の未投票を確認している。すでに99.9%の投票率はありえない。」と、在仏のジャン・ピン陣営の報道官、リオネル・エソノ・オンド氏。「われわれはEUの専門家のもと、調書ごとに双方参加のもとで確認することを要求している。」

裁判所は要求を妥当と判断するであろうか?過去にはつじつまの合わなくなるような再開票は棄却されたケースがある。しかしガボン系フランス人アンジュ・ケヴァン・ンジグ氏はこう見る。「今回の係争は過去のものとは異なっている。まず国際社会の圧力が違う。また投票率の不規則性も特異だ。そしてパラドックスであるが、ムバランツォはアリ・ボンゴと対決する道を選択する可能性がある。何より彼女自身の利益のために行動するだろう。」

いま、国家元首の運命は裁判長にかかっている。「彼女は(大統領とともに)政府の共同支配者であると感じている。」とンジグ氏。「ムバランツォの元にはたくさんの利益相反の裁定が突きつけられている。もし彼女がアリ・ボンゴにより保護されたいと思うなら、現職を擁護するだろう。しかし野党や国際社会からの庇護が与えられるとしたら、いかなるシナリオもありえる。」



先日のンボテのシミュレーションとも重なっている。究極の選択に置かれた裁判長。果たして裁定は。


(つづく)

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