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ニジェールに未知の武装勢力(前編)〜新たな脅威?

2016-09-12 07:30:07 | アフリカ情勢
マリの不安定化、イスラム武装勢力の再活発化、マリ中部での暴力的過激主義勢力の内製化・・・不透明さを増すサヘル地域。特に昨年突如登場したマシーナ解放戦線(FLM)改め、「カチーナマシーナ」の黎明と、バマコ、ワガドゥグ、グランバッサンのテロとの関係性、そしてサブサハラにおける過激主義勢力の浸透など、地域全体が共有する危機が展開する。

そんな中、AFP通信が伝える新しい動きに目が引き寄せられた。

「未知の武装グループがニジェール攻撃を示唆」
'Un groupe armé inconnu menace d'attaquer le Niger'


(Jeune Afriqueでもキャリーされた記事)
Niger : un nouveau groupe rebelle menace de prendre les armes

記事の中身を見てみよう。

これまでまったく知られていない、武装勢力グループが名乗りを上げた。「ニジェールの正義と復興のための勢力」(Le Mouvement pour la justice et la réhabilitation du Niger : MJRN)を名乗っていうる。トゥーブー族に属する首長が率い、大義はニジェールにおける少数派のトゥブ族コミュニティを守ることにあるという。

「ニジェールの正義と復興のための勢力(MJRN)はニジェールと国際社会に告ぐ。我々の基礎的権利を守るために武装闘争を繰り広げる。」アダマ・チェク・クディガン「暫定代表」を名乗る人物から、アビジャンのAFP支局に声明が届いたという。

「ニジェール政府はわれわれの正当な主張に対してまったく耳を傾けようとしてこなかった。(...)油田による環境生態系破壊、(...) 牧草地と生活環境の荒廃に関するわれわれの叫びにもかかわらず、(...) ニジェール共和国政府はこれを黙殺してきた。」その批判は
殊に中国国営石油公司(China National Petroleum Corporation : CNPC) にむけられる。「何億円という石油利権の代償は、(...)環境の悪化という形で周辺住民に向けられてきた。

SNS2にアップされた動画では、アダム・チェク・クディガンなる人物は、ロケット弾を担った人物の前に立ち、「食、水、教育、健康などといった、(トゥーブーの)最も基礎的な権利を要求するものである。」と主張。画面では遠くのオフロード車の列も確認できる

「われわれは大地に身を置いている。時が来れば、ニジェール政府を攻撃するだろう。」とクディガン暫定代表は警告する。

クディガン暫定代表は、中南部に位置するテルミ(Termit)出身。ここにはトゥーブー族の牧畜民が多く暮らす。そしてしばしば、彼らはかつてのトゥーブー族武装勢力の首長、バルカ・ワルドゥグの後継であると称する。

ワルドゥグとは、1990年代、「サハラ革命勢力軍(Forces armées
révolutionnaires du Sahara: FARS, ex-rébellion toubou)の指導者で、この7月にドバイで病死した。今回突如現れたMJRNは、FARSよろしく北部のアガデズ州、東南部ディッファ州にまたがるカワール県、マンガ県の開発を主張する。多くのトゥーブー族が暮らすチャドに近いエリアだ。そしてこの地域こそ、いまナイジェリアのイスラム武装勢力、ボコハラムの攻撃の標的となっている。

ニジェールに詳しい専門家は「この地域には武器が大量に溢れている。武装勢力と名乗るすべてのグループには相当の警戒をして臨むべきだ」と分析する。カワール県、マンガ県は、90年代初頭、民主革命戦線(Front démocratique révolutionnaire : FDR)の闘争に直面した。この地域ではトゥーブー族として初めての武装闘争だった

これに対し、ニジェール政府筋は「これは単なる動画。クディガンなる人物は取るに足らない。背後には誰もいない。」と述べている



もしこの動向がその通りだとしたら、そこには無視しえない重要なコンテクストが隠されている。その中身とは?

(次回につづく)

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