植物生態園でミツバツツジと並んで目立っていた花はこちらです。
そう、ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属)です。
日本全国に分布し、山の斜面や渓流沿いなど、ちょっと湿ったところに自生しています。
わが宇治市の市の花はこのヤマブキで、私のお散歩コースでもある宇治川沿いにも結構沢山咲きます。
今年はまだ見に行っていませんが、一番目立つあたりの木が伐採されてしまっていたのでガッカリです。
ガンガンに日が当たっていたので、写真がひどいですね・・・
それはともかく、バラ科の花弁は5枚が一般的ですが(左)、花弁が4枚の花を見つけました(右)。
たまにはこんなこともあるのですね。
ちなみに、ヤマブキの実はあまり見ることがありませんが、実も5つセットで付きます。
(花弁が4枚のシロヤマブキは実も4つですね)
ヤマブキといえば、一重だけではなく八重も有名。
こちらも咲き始めていました。
さて、生態園にはその他にも木々の花が咲いていました。
同じバラ科の花といえば、うちの庭にもワンサカ増えてちょっと困っているクサイチゴ(バラ科キイチゴ属)。
こちらは、キイチゴの仲間では比較的早く咲く印象のあるビロードイチゴ。
生態園ではまだ咲いていました。
葉を触ると、ビロードのように滑らかなので、区別がつきやすいです。
宇治川沿いの林縁にも沢山生えています。
白い花といえば、あのシュワッチ花芽のオオカメノキ。
今年は低い場所でシュワッチが見られなかったのですが、花はどうでしょうか。
あらら・・・今年はそもそも花が少なかったのですね。
どうりで花芽も見られなかったわけです。
前に行った時はまだ蕾だったハチジョウキブシ(キブシ科キブシ属)。
ガッチリした花穂が沢山風に揺れていました。
少し時期が遅かったからか、もう葉も広がっていましたね。
今回、木の花の最後はクイズにします。
お分かりでしょうか~
このごしゃごしゃした花の写真で分かったら、天才かも(笑)
花のアップと、
(2018/3末 京都府立植物園)
若い実をヒントに付けておきますね~
(2017/7下旬 大阪市大理学部附属植物園)
答えは・・・ミカン科のコクサギです。
全体に臭気があるから付けられたそうで、昔は葉や枝を堆肥にしたり、葉を煎じて蛆虫の殺虫に使ったりしたそうです。
最後は花ではありませんが、シダレカツラのシャワーをどうぞ!
明日から2回は、草本編です。
よかったら見てくださいね~
【撮影:2022/4/9 京都府立植物園】
春のこの時期は、植物園の春の花の最盛期!
早春の花は終わりましたが、ここぞとばかり咲き誇る花で溢れかえっています。
そんな中から見た花を木本、草本に分けて4回にわたってご紹介します。
ただし、仁和寺を見てから行ったので、後から見たら詰めが甘い写真ばっかり。
本当は花の綺麗なところだけではなく、花全体、植物全体を撮らないといけないんですけど・・・
例によってちょこっと解説でごまかします(笑)
ということで今日は木本第一回、ツツジの仲間です。
何といっても今の時期の植物生態園で一番目立つのがこちらです。
まだ落葉樹の葉が十分展開していないこの時期、赤い花が目立つこの花はご存じミツバツツジです。
ツツジ科ツツジ属。
こんなにあったのか、と思うほど生態園のあちこちで満開でした。
ツツジには常緑タイプと落葉タイプがありますが、こちらは典型的な落葉タイプ。
(公園などでよく見かけるヒラドツツジは常緑ですよね)
なので、突然花が咲くように見えて、いかにも春!
ミツバツツジの名は、葉先に3枚の葉が付くことから名づけられたそうです。
で、気になる雄蕊の数ですが・・・
見ての通り、雄蕊は5本。これは「ミツバツツジ」ですね。
(他のミツバツツジ類と区別するため、「ホンミツバツツジ」と呼ぶこともあるそうです。)
関東・東海・近畿の雑木林などに分布するそうですが、自生のものは数が減っているそうです。
一番見られるのが蕊が10本のコバノミツバツツジですが、生態園の過去の写真をひっくり返しても全部ミツバツツジでした。
さて、次に生態園で見つけたのがこちら。
そう、淡いクリーム色が美しいヒカゲツツジです。
ツツジ科ツツジ属の常緑低木で、関東以西に自生する日本固有種だそうです。
どちらかというと、ツツジよりシャクナゲの方に近いみたいです。
葉っぱとかちゃんと撮ってないからわからないですよね。
仕方がないので、一昨年撮った全体像の写真をどうぞ。
こんな感じで咲いているので、確かにシャクナゲに近いと言われればそうですね。
お隣に美しいツツジを発見!
樹名板にはクロフネツツジとありました。
こちらは日本のツツジではなく、東アジア(中国、朝鮮半島)などに分布する落葉タイプのツツジだそうです。
花が大きくて美しいので「ツツジの女王」と呼ばれることも・・・
なるほど納得です。
生態園で見られたツツジはこの3種類ですが、正門入って右手のシャクナゲ園ではもうシャクナゲが咲き始めていました。
シャクナゲもツツジ科ツツジ属です。
こちらは真っ赤な花がとても目を引く「太陽」という品種。
淡いピンクのこの花は「芳子」。
こちらは「春一番」。
見た目はツツジみたいだったので調べてみたら、どうもツツジとシャクナゲの交配種だそうです。
後ろの黄色は菜の花。
最後は、こちら。ホンコンドウダンです。
ツツジ特集なのに?ですが、こちらドウダンツツジの仲間です。
ちょっと蝋っぽいピンクの美しい花を咲かせるので、ピンクシャンデリアの別名も。
名前の通り、香港や中国南部原産で、現地では常緑だそうですが、日本では落葉してしまいます。
植物園では毎年綺麗な花を咲かせ、私も過去に一年の変化を投稿したことがあります。
本家のドウダンツツジはこの時はまだ咲いていませんでした。
(多分、今は咲いていると思います)
さて、数えてみると結構いろんなツツジが咲いていました。
明日はその他の木の花です!
【撮影:2022/4/9 京都府立植物園】
今日は京都府立植物園の花の予定でしたが、一昨日行った宇治市植物公園の八重桜を速報でご紹介します。
宇治市植物公園では4月9日から4月24日まで八重桜weekというイベントをやっています。
八重桜は今が旬、よかったら皆さん宇治市植物公園に足を運んでくださいませ~
(夜桜はもう終わってしまってるし、速報と違うやん!という文句が聞こえてきそうな・・・)
ということで時刻は18時半、夕焼けが綺麗な時間に仕事が終わった星夫と一緒にお出かけです。
こんな時間に来るのは初めて。
前にシダレザクラのライトアップの時にも来ていますが、日がもっと短い時期だったので真っ暗でした。
今回は花と水のタペストリーや温室も開いており、写真を沢山撮りましたが、それはまた後で。
取り急ぎ、八重桜です!
タペストリーの広場を通り抜けると、八重桜が沢山植えてあるエリアに来ます。
お~
前にエドヒガンを撮ったあたり、こんなに沢山の八重桜があったとは・・・
ウキウキワクワク、花の方に近づきます。
ピンクの濃いこの八重桜はご存じ関山。
里桜系の一番有名な品種で、ごく普通にみられます。
新しいコンデジは夜景にも強く、特に調整しなくても花が撮れました。
少し白っぽい品種も。
こちらは天の川のいう品種。白くて優しい感じです。
この日は満月。
4月の満月はピンクムーンというそうですが、ピンクの花に囲まれた満月はとても綺麗でした。
雰囲気だけでも・・・
ちょうど月が登ってきたところでした。
この辺で星夫は三脚を立てて、真剣に月と花の撮影・・
少し待ちましたが全然動かない。
先に行っといて、と言われたので私だけ先に進みます。
園路にはかなり強い光の灯りの他、こんな花灯籠も・・・
関山越しにラクウショウを写したところです。
光線の加減か、新緑のラクウショウが強い緑色に・・・
修景池を見られる展望所から見た光景。ピンクムーンとともに・・・
いつも修景池越しに桜や花菜などを眺めていますが、この日は夜桜がこんな感じに・・・
池をぐるっと回ると、八重桜のトンネルが現れました。
20時までの開園ですが、この時点ですでに時刻は19時45分。
やっと追いついた星夫とともに、先を急ぎますが、美しさについ立ち止まります。
この辺りは関山だけではなく、他の品種も入り混じり、とても華やか。
見上げてみると・・・
まるで和服の柄のようです!
ついついもう一枚。
あかん、閉じ込められる!
と先に進みますが、ついついパチリ、パチリ・・・
いつものうさぎのペーター君、「お~ば~け~」状態に・・・
ちょっと雰囲気の違うサクラが現れました。
樹名板をみると「オモイガワ」
こちらは八重ではなく、一重の桜です。
うわ~ん、ゆっくり見たかったよ~
暗くなったのが19時頃ですから、1時間で見るにはちょっとあわただしいです。
私たちが帰った後、桜の下の白いテーブルとベンチで妖精たちがお茶するのでしょうか。
やっとこさ出口にたどり着いたときの時刻は20時5分。
なんとか閉じ込められずに出ることができました。
最後の一人じゃなくて良かった・・・
それでは最後に昼間の八重桜、アーカイブからご覧くださいませ~
関山です。
オモイガワはピンクの桜だったんですね。
この日は京都府内を北から南へ3か所も巡ったので大変でした。
(3か所目がここ宇治市植物公園です)
そのうちゆっくり投稿しますね~
【撮影:2022/4/16 宇治市植物公園】
仁和寺で御室桜を見た後、京都府立植物園に足を運びました。
4月上旬のこの時期に植物園に行くのは3年ぶりです。
2020年、2021年と2年続けて春の一番いい時期に植物園は休園していました。
それもこれもあのにっくきコロナによる緊急事態宣言のせい。
今年はなんとか宣言は避けられたので、待ちに待った春の開園です!
まず見たかったのが・・・
球根ガーデンのチューリップ。
一番いい時期だったようで、満開!!!
規模は小さいですが、とっても、とっても素敵でした。
調子に乗って撮り倒した写真です。
昔のチューリップとは品種が違うのでしょうか。
花が大きく開き、色も光沢があってとても綺麗です。
大きな公園の大規模なチューリップ園とは違いますが、粒ぞろいの美しさです。
この2年間も同じように咲いていたはずですが、誰にも見てもらえず・・・
でもようやく今年は「見て、見て!!」
花たちのウキウキが迫ってくるようです。
奥に見える紫色は、ムラサキハナナ(オオアラセイトウ)です。
これだけ咲くと見事です。
ミツバツツジ越しに見えるムラサキハナナ
人が写らないタイミングの写真を投稿しましたが、実際には多くの人が訪れていました。
なので、撮った写真の大半は人が沢山写っています。
みんな真ん中の通路で花に囲まれ写真の撮影会。
満面の笑みがとても素敵。
あとは園内で見られた桜3種です。
ソメイヨシノの時期は終わっていましたが、サクラ園ではヤエベニシダレがちょうど満開!
一番一般的なシダレザクラですが、色と言い姿と言い、最高に魅力的。
私が撮ると全然魅力的に見えないのが残念・・・
花が可愛いですよね!
2つめは、八重山古志という品種の桜です。
てっきり、八重山の古志という桜なのかと思ったら、新潟県長岡市山古志にあった桜なんだそうです。
色が濃いピンクでとても綺麗でした。
最後は少し白っぽい花のこの桜、お分かりでしょうか。
色が白くて、葉と同時に開花するこちらは、オオシマザクラです。
そう、あのソメイヨシノのもう一方の親です。
日本固有種で高木になり、その葉は桜餅をくるむ葉になります。(知らんかった・・・)
いつぞや大きな木を見たことがありますが、こちらの木はとってもかわいい小木。
これから大きくなるんだよ~
<オマケ>
3年前の2019年にも4月上旬に京都府立植物園に行っていましたが、その時の一枚がこちら。
この時はまだソメイヨシノが満開で、花の下で大勢のひとたちがお花見をしていました。
なんだか、遠い昔のように思えます・・・
<オマケ その2>
正門前のケヤキ並木で、キジバトさんが巣材の枝を運んでいました!
旧約聖書のノアの箱舟の、放たれたハトがオリーブの枝をくわえて戻ってきたエピソードを思い出しました。
オリーブじゃなくてケヤキですけど・・・
京都府立植物園、続きます。
【撮影:2022/4/9 京都府立植物園】
昨日は御室桜を少しでも早くお見せしたくて先走りました。
今日は、お寺のご紹介も兼ねて、桜以外の様子をご紹介~
まずは行き方から。
京都旅行に来られる方は多いですが、きっと仁和寺への行き方には悩まれるかも。
バスは渋滞するので、京福電車(嵐電)御室仁和寺駅から行くのがベストです。
でも、その嵐電に乗るのはどうしたらいいか?
私はJR京都駅から嵯峨野線に乗り換え、嵯峨嵐山駅で下車、嵐電嵐山駅から嵐電にのりました。
出来るだけ早く行きたかったので、嵐山に着いたのは朝7時過ぎ。
せっかくなので、少しだけ渡月橋を見学。
さすがに人が少ないです。それに山には少し桜が残っているようで春らしい光景。
仁和寺の御室桜が開園する前に行きたかったので、橋の見学も早々に嵐電嵐山駅へ。
ここから帷子ノ辻まで行って北野線に乗り換え、御室仁和寺で下車。
下りたらもう正面にどどーんと大きな仁王門が見えます。
御室仁和寺は仁和4年(888年)創建の古刹です。
宇多天皇が譲位後門跡となって仁和寺に入られて以降、仁和寺は門跡寺院となりました。
平安~鎌倉までは最高の格式を保っていたのですが、応仁の乱で焼失・・・
約160年後の寛永11年、時の将軍家光公に再興を認められ、御所から紫宸殿、清涼殿を下賜。
12年後にようやく創建時の姿にもどったそうです。
それ以降も門跡寺院として皇室出身者が住職をされていましたが、江戸末期にその歴史が終了。
(親王であったご住職が還俗されたそうです)
今は、真言宗御室派の総本山となっています。
世界遺産にも登録され、広い敷地に国宝や重文の建物が点在する様子は、京都のお寺とも思えないほど雄大です。
中でも一番目につくのが五重塔(重文)。
御室桜と五重塔の光景も素敵でしたが、他の花とのコラボもなかなかのもの。
そろそろ説明を読むのにもお疲れのことでしょうから、ここらで五重塔&花のコレクション、ご覧くださいませ~
五重塔とヤエザクラ
五重塔としだれ桜(塔が見えへんがな)
ミツバツツジと塔
境内は御室桜だけではなく、しだれ桜や咲き始めの八重桜もあちこちに咲いています。
ヤマザクラも・・・
ピンクのヤマザクラが可愛いです。
金堂は国宝です。
こちらが元々御所の紫宸殿だった建物を移築したお堂とのこと。
元は檜皮葺だったのを、お寺らしく瓦屋根に作り替えたそうです。
そもそも紫宸殿は御所の正殿のはずなのに、作ってわずか10年ほどでお寺に移しちゃたんですね。
重文の経堂。何とかしてミツバツツジと一緒に撮ろうとして写した写真がこちら。
イマ億通り越してますね。
先ほどから「ミツバツツジ」と言ってますが、蕊の数が10本くらいあるのでコバノミツバツツジでしょうか。
ここ仁和寺にある「御殿」は見学することができます。
門跡寺院だけあって、御所風の造りは見ごたえがあります。
ほぼ撮影フリーなのも、ポイントが高いです。
ただ、人の多さは・・・それと、有名な黒書院が工事中で見られなかったのが残念です。
入ってすぐの建物のお部屋には色々な芸術作品が展示されていました。
古い襖絵との対比が面白い・・・
こちらは白書院から見える「南庭」と呼ばれるお庭。
左向こうに見えているのが「右近の桜」と呼ばれている桜です。
一番大きな建物は宸殿と呼ばれ、ここから見える塔をのぞむお庭は見事!
結構な人出でしたが、手すり手前のスペースにすわってほけーとお庭を眺めるのもなかなかいい感じ。
空いていたら、ごろんと寝ころびたいくらいでした。
上の2か所のお庭を上から一望。
襖絵も見事です!
ということで、いかにも不十分な紹介でしたが、お庭や古い建造物に興味のある方にはとてもいい場所だと思います。
お寺の売店の女性がおっしゃるには、「昨日までは人がずっと少なかった」とのこと。
急に暖かくなり、ほんの2,3日で御室桜が満開になったからでしょうね~
結局詳しく説明したのは、電車での行き方だけという(笑)
お寺のHPにももっと詳しい説明が出ていますので、興味のある方はどうぞ!
【撮影:2022/4/9 仁和寺】