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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-04】時代性-建築家の小さな自邸-

2022-06-30 21:08:45 | ministock-04
昨日から建物の本格的な解体が始まり、そして一気になくなりました。

ぽつんと残った浴室だけが何とも言えない佇まい。
これ、ルパン三世で見たことあるやつだ。

浴室の色はしずかちゃん家だけど。

まさかここで不二子ちゃんとしずかちゃんのコラボが見れるとは思いませんでした。

そして、基礎の解体も一部始まっている中、とても時代性を感じる部分が表れていました。
土台が外されてアンカーボルトが見えていましたが、

どう考えても少ない。

構造計算してないけど、少なくとも私だったらここにも入れます。
場所によっては一切緊結されていない場所もありました。

つまり、基礎の上にただ置いていただけ。
梅雨明けの蒸し暑い午後でしたが、背筋が凍っちゃいました。

昭和ってすげーなって。

解体した基礎も置いてあったので覗き込んでみました。
まずは最初にイマドキの基礎っていうとこんな感じ
逆Tの字型で端部や交点に鉄筋が通されていて、それをつなぐために20cm間隔で鉄筋が縦に入っています。

例えばこんな感じ

それに対して我が家は、
まずは、コレ基礎の底盤
入ってる鉄筋は2本だけ。

しかも、主筋と言われる構造的に一番大事な鉄筋が入っていなくて、繋ぎのための補助の鉄筋が2本入っているだけ。

つーか、ない主筋を繋いでいるので、一体何を繋いでいるの?状態。

しかも、そもそも逆T字は鉄筋でつながっているはずなのに繋がっていない。

地面に流したコンクリートにI字型の基礎を建てただけ。

で、そのI字型の基礎はというと、
鉄筋が1本だけ入っていました。

めっちゃ時代性を感じます。
これでよかったんだから。

給湯管については、昭和の伝統芸をどうぞ。
長年の錆がたまりにたまって、お湯の流れる道なんてほとんどない状態。

大体こんなもんです。

改めて「断熱性、耐震性、耐用性、耐久性」「格好いい」とか「使いやすい」以前の必須条件だなと思います。

愛着が湧くほど壊したくないのに、どんどん住みにくくなるなんて悲しいです。

でも時代にとらわれないところもありました。
ここだけは変わらずの砂地地盤でした。

とても水かけのいい土地。
ただし、解体によって地盤を乱すことになったので、地盤改良は必要になると思います。
2-3年ほど散水養生を繰り返せば土も締まって地盤改良なしでも建てられると思います。

時間がある場合は、待ってコストダウンを図ることもできます。

まぁ、待たないんですけどね。
令和のスピードの中で生きています。

時代ですねぇ。





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