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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-02(lab)】同時進行-省エネルギーな小さい家-

2016-02-17 21:39:27 | ministock-02(lab)
このブログで「同時進行」というキーワードは家族で交わされる「いってきます」や「お帰りなさい」と同じくらいに使われています。

たぶん、うそ。

まぁでも、結構多いと思います。

その同時進行が形になるとどうなるか。

ミニストック-02は順調に工事が進んでいます。
少しさかのぼりますが、ミニストック-02は屋根断熱を採用しているんですけど、大工さんとしては家の骨組みを作るときに屋根が架かるまでは、とにかく張り切ります。(それ以降は平常運転の張り切り方)

だって、濡らしたくないですよ。
せっかくの家。
表面的な濡れ方は大きな問題じゃありませんが、気分的なところで濡らしたくないですよね。(全国共通)

なのに、屋根断熱なんかを採用すると、屋根が架かるまでにひと手間もふた手間もかかってしまう。
Moko’sキッチンならひと手間加えることは、奥様方の目をハートにするだけなのに。
屋根断熱は大工さんの舌打ちしか聞こえないっていう。


この屋根の下葺きが終わるまでが一つの目標になるんですけど、


途中に屋根の気密施工、断熱施工、防風施工、通気施工なんかが加わります。

まぁ、無事に同時進行しながらうまくいきましたよっていう事なんですが、きょうはそこからさらにさかのぼります。


一般的な木造の構造計算を行う場合、屋根垂木は9cm以内に納めないといけません。
それ以上の垂木を使うと構造計算に含めることは出来ませんが、ミニストックで採用している垂木の寸法は14cm。

構造計算上アウトですが、温熱計画上どうしても垂木は14cm欲しい。
(新潟県内の住宅の屋根垂木は5cmから6cmが一般的なので、14cmの垂木はちょっとおかしな寸法です)

教科書通りの構造を採用すると温熱計画上物足りなくなって、温熱計画を優先しようとすると構造に不備がでる。
あっちを押せばこっちが飛び出て、こっちを押せばこっちが飛べ出るみたいなことが起こるんです。
それを両方ひっこめるためには、構造、温熱を同時に検討する必要があり、ミニストックでは垂木を水平方向の耐力部材とはみなさずに他の材料で構造計算を進めました。

そして、屋根断熱は単価の高い施工方法ですが、その施工方法を意匠に活かすことでコストを抑えています。

結局、構造、温熱、意匠を同時に考えずに、それぞれの都合を優先させちゃうとしわ寄せが来ちゃいます。
だから、同時進行で検討するのはむしろ当たり前な作業という事になります。




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