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門田隆将『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』

2008-08-22 | か行の作家
光市母子殺害事件。あれから9年がたつ。


1999年8月11日。

最愛の妻と娘を惨殺された23歳の本村氏と著者の出会いから幕をあける。


さて感想。


ものすごく良いです!! 一気に読みました。

「命の重さ」について考えさせられます。

こんなに泣きながら(嗚咽しながら)読んだ本は記憶にないかも。


日本の司法の厚い壁…そして絶望。

「悔しさ」「怒り」「憎悪」「無念」が伝わってきます。

今まで加害者は少年法に守られ、真相は闇に葬られていた。

その結果、遺族は置き去りにされ、何のケアや保障もなかったんだね。

映画『それでもボクはやってない』でも思ったけれど、日本の司法は

腐っているんだろうな。


死人に口なし…では亡くなった被害者の声を、誰が訴えるというのだ。

遺影に布を巻いての裁判の傍聴。どれほど辛く悔しかったことだろう。


涙の意見陳述。娘と孫を殺された母の言葉が胸をうつ。

そして、本村さんの一言一言が胸につきささるのだ。


二人の死を無駄にしないため、彼は生きてこられたのだろう。

そんな彼を支え続けた、信念の人たちがたくさん登場します。


妻の弥生さんは、明るくて優しくて堅実で本当にいい奥さんだったんだね。


それにしても、死刑廃止理念の人権派の弁護士たちに問いたい。

どうしてこの事件でなければいけなかったのか…と。


死刑の判決が出たからといって、愛する人が戻ってくることはない。

これからも本村さんは、この事件を背負って生きていかなければならない

のだから。★★★★★


印象に残ったセリフ

「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。君は特別な経験をした。

社会に対して訴えたいこともあるだろう。

でも、君は社会人として発言していってくれ。

労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。

君は社会人たりなさい」


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご無沙汰してました (ソルト)
2008-08-23 18:59:46
同じ頃に読んでたんですね。
とってもとってもいい本でした。
本村さんは、家族や友人に恵まれただけでなく、素晴らしい上司にも恵まれましたね。

昨夜は、テレビの400mリレー決勝を応援してました。
日本の陸上短距離選手は、ずうっと前からいいなぁと思ってました・・・為末、末続、朝原選手やその前の選手も。
銅メダル獲得、テーブルをたたいて応援した甲斐がありました。
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Unknown (naru)
2008-08-25 19:05:47
ソルトさん こんばんは。
あまりノンフィクションは読まないんですが
確か単行本ランキング?!に入っていた気が..。
本当に本村さんは人に恵ましたね。
それによって法律がどんどん変わっていき
ましたね。
それにしても、悲しく残酷な事件でした。
加害者ばかりが守られている現状。
被害者や遺族が救われる世の中であって
欲しいですよね。

男子リレーは私も応援しました。
アメリカ・イギリスがいなかったのも
ラッキーでしたね。
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