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門田 隆将『甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』

2008-08-27 | か行の作家
プロ野球の世界は、1年ごとの契約更新で、活躍できる選手はほんのわずか。

そんな厳しい世界に、高畠導宏さんは35年間(5年間は選手、あとの30年は

コーチとして)身をおいていた。

「伝説の打撃コーチ」…人は彼のことをそう呼ぶ。


そんな彼が50半ばにして一念発起する。

そして平成15年、5年かかって教員免許を取得。

59歳になった彼は社会科の新米教師として高校の教壇に立つのだ。


だが、志なかばにして、余命6ヵ月と言われた癌告知から7週間後

平成16年7月1日、この世を去ることになる。


さて感想。


なかなか面白く読みました。すごい人生です。


プロの世界に入った彼は、致命的な怪我を負い、不運な現役生活の末

コーチとしての道を歩み始めます。


スターではなく、黒子としての人生…。

おそらく怪我がなければ、王や長嶋とともに、長く第一線で活躍できたはず。

しかし、運命とは皮肉なもので、そうなっていたならば「伝説の打撃コーチ」

は誕生しなかったのだ。


彼は情熱を持って、選手を育て続ける。

選手たちも、彼の恩に報いるため、必死で努力します。

実際、彼の教え子たちは、次々とタイトルホルダーをものにし

第一線で長い選手生活を送っています。

人との出会いも縁であり、財産なんだね。

その後の人生をも、変えてしまうのだから。


この本では、彼の人格者たる、さまざまなエピソードが語られています。

人望があり、よほど魅力的な人物だったのでしょう。


残念ながら、彼の教師生活はたった1年で終わる。

しかし、彼が高校生たちに残したものは、あまりにも大きい。


夢があるって素晴らしい。

熱くなれる何かを見つけられる人は本当に幸せだ。

野球が好きな人なら、読んで損はないと思います。★★★★


ちなみにこの作品を元にNHKでドラマ化されていました。

全話見ました~。最終話は号泣っす。この話は次回また。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣きました (molly)
2008-08-28 07:45:49
わたしもTV「フルスウィング」 見ました。泣きました。
高橋克美さん、とても良かったです。蘭ちゃんのナレーションも。
夫も珍しくドラマをちゃんと見て、文句を一言も言わないと思っていたら泣いていました。
原作本、私も読みたいと思っています。

これから出勤です。いってきまぁ~す!!
返信する
Unknown (ia.)
2008-08-29 01:02:06
こんばんわ。
あのドラマの原作なのですか!
私もドラマ観ました。良かったです~。
門田隆将さんの本、他にも紹介されてますね。
どちらも読んでみたいなぁ。
返信する
Unknown (naru)
2008-08-29 18:51:31
★mollyさん こんばんは。
おぉ。リアルタイムに見られてましたかっ。
1話目と最終話は、かなり泣けました。
思い出すだけで涙腺が…。
里見浩太郎をはじめ、脇役たちもいい味
出していましたね。
原作ではタカさんの少年時代からプロ野球
時代がメインに描かれています。
野村(現:楽天監督)との出会いやコンビ
確執も面白かった。
だから教師時代を描いたこのドラマと原作は
全く別と捉えた方がいいかもしれません。
門田さんの作品では『なぜ君は絶望と闘えた
のか』が素晴らしかったです。
機会があれば是非。

★ia.さん こんばんわ。
おぉ。ドラマ見られてたのですね。
放送後の反響が大きくて、はやくもDVDに
なったみたいです。
この本では少年時代からプロ時代がメイン
に描かれていて、ドラマとは別物と考えた
方がいいかもしれません。
門田隆将さんって、ジャーナリストさん
なのですが、文章がとっても読みやすい。
まずは『なぜ君は絶望と闘えたのか』を
オススメしま~す。
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