~ならしのの風に乗って~

二人三脚で綴る夫婦の気ままな日記

中津文彦さんの「黄金流砂」

2013-07-23 07:28:49 | 小説・本
私(おじさん)の読書日記です。

先日「奥の細道」の参考書を読んでいることを書きました。(こちら)
その本も無事読み終えました。

私は「奥の細道」の一番の圧巻はやはり”平泉”かなと思います。
”平泉”での藤原氏三代と源義経を偲ぶところが、自分自身”平泉”を訪ねた時の思い出も重なって、一番好きな場所です。

そして、この「奥の細道」を読み終えたら、これまた私が大好きな小説「黄金流砂」が読みたくなり、文庫本を一気に読み終えてしまいました。

江戸川乱歩賞全集(14)黄金流砂 焦茶色のパステル (講談社文庫)
「黄金流砂」は中津文彦さんが書いたミステリーで、第28回江戸川乱歩賞を受賞しています。

歴史学者およびその関係者の殺人事件と、源義経が”平泉”で死んだのではなく、藤原泰衡の襲撃を受ける前に北に逃げていたのだという伝説(義経北行伝説)を絡めた歴史ロマンあふれるミステリーです。

”義経北行伝説”の背景となった東北地方の歴史(藤原氏三代繁栄の財政基盤となった金の産出、源頼朝による大義名分なき奥州侵攻、あひる文字(神代文字)と羽黒山そして修験者など)の謎も数多く盛り込まれていてとても興味深く読むことが出来ます。

この北行伝説も、”判官贔屓”の結果なのでしょうが、読んでいて「なるほど、こういったことはあるかも」と思う箇所がいくつもあります。

小説の最後が伝奇小説的になってしまうのは少し残念ですが。。
いや、それも含めて面白いです。



私は”平泉”を学生時代に一人旅で、そして長女が結婚する前の家族旅行で訪ねたことがあります。

”高館(判官館)”から眺める北上川流域、そして中尊寺境内と”金色堂”の輝かしさ..
「黄金流砂」を読んでいると、そこに「奥の細道」の文と俳句、それから実際に訪れた時の情景が重なって本当に楽しくなります。
 

中津文彦さんの「黄金流砂」は、”平泉”そして東北地方の歴史を垣間見ることが出来るとても面白い歴史ミステリーです。
私の大好きな、そしてお奨めのミステリーです。
 


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