久しぶりに現実の事件で思うところがあったので書いてみたい。
山口の限界集落で起きた連続殺人放火事件である。五人のも尊い命が奪われた上に、犯人が逮捕されたとはいえ、動機の解明などまだまだ捜査が続いていくだろうから、あまり断定なことは書けないのはわかっている。
しかし、この事件に関するウェブの記事や巨大掲示板の書き込みなんかを読んでいるうちに、わたしはある中編小説のことを思い出した。
明治時代に自然主義文学で一世を風靡した「田山花袋」の『重右衛門の最後』という小説である。
あらすじや背景は現実に起きた事件とはまったく違うが、いくつか共通点があるような気がするのだ。
「重右衛門」という登場人物が故郷の山村で孤立すること、そして、その鬱積を放火という行為で晴らすことなどである。
ある山村で火事が起きる。火を点けたのは村人の誰もが知っている。しかし、証拠がないために官憲に突き出すことはしない。
「村八分」する側もされる側も積もりに積もるストレス。
やがてそれはある事件をきっかけに暴発することになる・・・。
小説のラストは、凄惨ながら大げさに言えば黙示録的な光景で終わる。
これはぜひ原文を読んでいただきたいのだけど、今の基準からすると前半はやや退屈かもしれない。しかし傑作だと思う。
青空文庫『重右衛門の最後』
山口の事件は、小説のネタにするつもりじゃないけど、しばらく注目していようと思う。
山口の限界集落で起きた連続殺人放火事件である。五人のも尊い命が奪われた上に、犯人が逮捕されたとはいえ、動機の解明などまだまだ捜査が続いていくだろうから、あまり断定なことは書けないのはわかっている。
しかし、この事件に関するウェブの記事や巨大掲示板の書き込みなんかを読んでいるうちに、わたしはある中編小説のことを思い出した。
明治時代に自然主義文学で一世を風靡した「田山花袋」の『重右衛門の最後』という小説である。
あらすじや背景は現実に起きた事件とはまったく違うが、いくつか共通点があるような気がするのだ。
「重右衛門」という登場人物が故郷の山村で孤立すること、そして、その鬱積を放火という行為で晴らすことなどである。
ある山村で火事が起きる。火を点けたのは村人の誰もが知っている。しかし、証拠がないために官憲に突き出すことはしない。
「村八分」する側もされる側も積もりに積もるストレス。
やがてそれはある事件をきっかけに暴発することになる・・・。
小説のラストは、凄惨ながら大げさに言えば黙示録的な光景で終わる。
これはぜひ原文を読んでいただきたいのだけど、今の基準からすると前半はやや退屈かもしれない。しかし傑作だと思う。
青空文庫『重右衛門の最後』
山口の事件は、小説のネタにするつもりじゃないけど、しばらく注目していようと思う。
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