函館メモリー／五稜郭公園

五稜郭タワーのエレベーター天井に浮かび上がる星形

2009 12/11 Fri.
＊は～るばる来たぜ函館―― その②
ラストサムライの「見果てぬ夢」　五稜郭

開港に伴う北方防備を目的に7年の歳月をかけて造り上げた、日本初の西洋式城塞。徳川幕府の命を受けた蘭学者武田斐三郎が設計を手掛け、1864（元治元）年に完成しました。星形の城郭は、防御側の死角が少ないなどの利点があり、当時ヨーロッパを中心に普及していたそうです。箱館奉行所となり、1867（慶応4）年の大政奉還で明治新政府へ引き継がれるまでは蝦夷地の中心として重要な役割を果たしました。
が、五稜郭と言えばやはり、幕軍と官軍の最期の戦い「箱館戦争」の舞台となったことで有名。私にとっては「土方歳三の最期の戦地」以外の何ものでもありません。かつて新撰組ヲタだった私が、唯一訪れていなかった「ゆかりの地」でもあります。

公園入口

二の橋からお濠の水面を
薄い氷が張った水面を鴨が歩いていました。

郭内
思った以上に普通の公園でした。変ったところがあるとすれば、土塁（身隠し塁）に囲まれていることくらい。
外部から直接見えなくして、至近距離からの砲撃を避ける目的で配されているそうです。

1868（明治元）年10月、江戸開城に納得しない榎本武揚率いる旧幕府脱走軍が「蝦夷共和国」の樹立を目指して北海道に上陸し、明治新政府が「箱館裁判所・箱館府」として管理していた五稜郭を占拠。五稜郭は函館戦争で役所としての機能を失い、旧箱館奉行所庁舎や関係施設の大半が解体されてしまいます。
1896（明治2）年5月11日、新政府軍に制圧された箱館市中の奪回に向かった歳三さまは、一本木関門付近（現在の若松町付近）で新政府軍の鉄砲隊に襲撃され、馬上で腹部に銃弾を受け、壮烈な最期を遂げたとされています。
享年35。最後まで己の信念を曲げず、武士としての節義を貫き、本当の武士よりも武士らしく生きた男の中の男。
賊軍として散ったことにすら今や浪漫を感じてしまいます。
いかんいかん、話し出すと止まらないわ！
歳三さまの戦死から間もなく、旧幕府脱走軍は新政府軍の反撃に屈し、五稜郭を明け渡しました。


箱館戦争当時の大砲
市立函館博物館分館入口前に展示してあります。
左：クルップ砲
明治政府軍軍艦「朝陽」の大砲（ドイツ製）
右：ブラッケリー砲
築島台場の大砲（イギリス製）

武田斐三郎顕彰碑
公園中央には、五稜郭築城設計及び監督、函館奉行支配諸術調所教授役を務めた武田斐三郎の顕彰碑がありました。
レリーフの顔部分だけが光り輝いているのは、観光客が撫でるからだそうで、顔に触ると武田斐三郎氏のように頭脳明晰な人物になれると言われているらしい。

とりあえず私も撫でてきました。

五稜郭タワー
安定感の悪そうな設計だなぁ。高所恐怖症の人はイヤがりそう。
五稜郭の堀1.8kmをイルミネーションで飾る「五稜星の夢」を開催中でした（17：00～22：00）。
が、17時までにはバスに戻らねばならず（え～～っ!?）、しかもすでに暗くなっていて、肝心の五稜郭全景は全く見えませんでした　もうね、何のために上がったんだよっていう。。。



一応下を覗いてみた。



というわけで、ただの夜景でした。
五稜郭タワー自体がそれほど高いわけではないし、ハナっから五稜郭の星形は一望出来ません。

エレベーター＠五稜郭タワー上部の壁面
空港からホテルに移動するついでに寄ってみた、という程度の訪問だったので、時間も取っていないし、「なんとなく園内を一周してきた」だけ。行く前は「かの地に立てるだけでもシアワセ」とか思っていたけれど、かなりの欲求不満を感じております。
グッズを物色（えっ!?）する余裕もなければ、歳三さまの 函館記念館 にだって行けてないし。
箱館奉行所の復元工事 が完了したら（6月下旬の完成予定）再訪してみようかしらん。


土方歳三のブロンズ像
タワー内には、1Fアトリウムと展望台に2体の土方歳三のブロンズ像がありました。


ここにも大砲が！
実物大の模型。五稜郭を舞台とする市民イベントで使用されているそうです。

航空写真
「稜堡」と呼ばれる5つの突角が星形の五角形を作る外観から五稜郭と呼ばれています。
ヘリコプターに乗ればこんな風に見えるらしい。
1913（大正3）年からは「五稜郭公園」として一般公開され、1952（昭和27）年には「五稜郭跡」の名称で特別史跡に指定されました。郭跡に沿って植えられた1,600本を超える桜は、函館公園と並ぶ花見の名所となっています。現在「箱館奉行所」の復元工事中。

■五稜郭公園
□函館市五稜郭町44
□0138-51-2864