みみずのしゃっくり

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宮崎爆発

2022-02-02 | おきにいり


40年遅れでアニメ漫画本のナウシカを見て読んだ私の非常に個人的な「まとめ」です。

以前のボログ記事:飛行ガメ ナウクエ


「宮崎爆発」というのはカンブリア爆発と同様の意味です。
つまり宮崎作品の世界を構成する様々なエレメントが出揃っているということです。

ズバリひと言で表現すれば・・・

空想科学・怪奇・妖怪・過去・(未来)・少年・少女・冒険・戦争漫画

(長い!)なのだぁぁぁぁぁぁぁ

少年・少女というのは、「少年漫画」の要素もあり、センチで感傷的な「少女漫画」風味も紛れ込んでいるからです。
(未来)とカッコ付きなのは、未来と言いつつ実は過去の架空世界だからです。見たことのないものは描けません。多分こうだろうと想像して描くものは、結局過去にあったもの(見たことのあるもの)になります。服装や甲冑などもヨーロッパ中世からルネサンス頃のものです。

社会構造(人間関係)も過去の世界にあったものです。
物語は2000年も未来の地球という設定ですが、王や皇帝などが出てきて、クロトワは自分のことを「平民上がりの貧乏軍人」などと言っています。
なんで王侯貴族がでてくるのかなぁ❓「火の7日間」と名付けられている最終戦争で高度文明が崩壊した後、石器時代から再出発して、物語の時代は再出発後の中世(10世紀)なのでしょうか
あるいは著者の諦観で「人類とは永遠に身分差別の世界を好むのだ」ということを表現しているのかも知れません
何しろ実際の歴史でも、自由・平等・博愛を謳ったフランス革命以降に植民地主義が本格化します。
T・E・ロレンスは「強制のないところに平等なんてありえない」と書いています。私も同感なのです。

怪奇な現象や妖怪も登場します。首だけになってもヘラヘラ笑ってる人なんか凄いですね
とても飛びそうにない有機物的な飛行物体は楽しいですし、超大型の虫たちもグロ可愛いです。

そして繰り返しデウス・エクス・マキナが登場します。そうしないと収拾できない展開が色々あるわけで、空想科学・怪奇・冒険・戦争漫画では当然ということでしょうか。


つまり大爆発的に様々な問題を投げかけている名作(ちょっと迷作)と言えるでしょう。


書籍版はセットにもなっていて、今やロングベストセラーです。






私の一番好きな第7巻(ルネサンス風装束がステキ)



主要な問題は、この巻で語られるのですが、それ以前の紆余曲折無しには「物語」になりません。



トリウマのモデルはドードーさん




この物語と関連して、以前に読んだカレル・チャペックの「山椒魚戦争」を思い出しました。とても皮肉たっぷりで痛快なストーリーでした。







いずれも終末もののジャンルに入る作品ですね。




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