みみずのしゃっくり

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古代ローマの風

2021-08-12 | おきにいり


ウィーンは古代ローマ時代にはヴィンドボナと呼ばれ、ドナウ川添いのリメスを防衛する軍営地でした。
ウィーンから東へ電車で1時間行くと、もうひとつの軍営地カルヌントゥムがあります。


カルヌントゥムの軍営地遺跡は考古学公園となっていますが、中で最も威容を誇るのはハイデントーアと呼ばれるアーチの遺跡です。
最新の考古学的調査から、これはコンスタンティヌス1世が辺境のゲルマン軍との戦いに勝利した後、凱旋門として建造されたものと判明しています。







現存するアーチに本来の凱旋門の輪郭を重ねたもの






軍営地ですから土塁と防御柵がありました。考古学公園に再現されています。






古代ローマ人にとって不可欠なのは風呂とワインと円形劇場。カルヌントゥムにも円形劇場の遺跡があり、イベント会場となっています。






もう何年も前ですが、友達とカルヌントゥムへ行きました。
平日だったこともあり、誰もいませんでしたが、そこはかとなく古代ローマの息吹を感じました。
ハイデントーアのところで、ひとりのイタリア人に出会いました。何を尋ねられたか、もう忘れてしまいましたが、友達も私も一応イタリア語を話すので、何か教えてあげたのでした。その人は「Sarve」と挨拶して去っていきました。友達が「今のは古代ローマの挨拶だよ」。
今振り返ってみると、あれは、ひょっとして本当に古代ローマ人だったのではないか、などと思います。
いや、もちろん、現代のイタリア人だったに違いないのですが、何故、人っ子一人いないカルヌントゥムを歩いていたのか・・・
「サルヴェ」という挨拶は、あまり一般的ではありませんが、今でもイタリアで使われているようです。「健康を祈る」とか「無事を祈る」という意味です。


考古学博物館に展示されているライオン






アレッポの悩めるライオンを思い出しました


カルヌントゥムは今年、ユネスコ世界遺産に登録されました。最新の世界遺産なので日本語Wikiには、まだ記載されていませんが、ドイツ語英語には載っています。








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