みみずのしゃっくり

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武士の琴

2013-08-31 | おきにいり

子供の頃、日本史関係の本を好んで読み、その後、西洋史を専攻し、今は改めて日本史も面白くてなりません。しかし、昔の人の本を読むのは「人間も内容も古いよ」と関心がなかったのですが、この頃は逆に「その時代の枠の中で読めば生き生きと面白い」と思うようになりました。

勝古小吉の自伝が面白いと知って、アマゾンで探していたら見つけた本です。



勝海舟の著述や談話をまとめた「氷川清話」には、当時の面白いエピソードが沢山語られています。もちろん、江戸開城の「相手」であった西郷隆盛の話が多いのは当然です。

中で特に印象的だったものだけ3つ(青字は本書からの引用)

その1)西郷隆盛
祇園の茶屋の女性が西郷に惚れ込んで、西郷も彼女を愛し、それで彼女も有名になったのですが、非常に太っていたので「豚姫」と呼ばれていたそうです。本書によれば・・・
「しかし今の奴等が、茶屋女と、くっつくのとはわけが違っているヨ。どうもいうにいわれぬ善いところがあったのだ。」

その2)江川太郎左衛門
この名前を見たり聞いたりすると、すぐ韮山の反射炉を思い出しますが、極めて多才で幅広く活躍、日本で初めてパンを焼いた人でもあります。本書によれば・・・
「ある時水戸の屋敷に召されて、烈公から琴を一曲と所望せられたのを、再三辞したけれども、お許しがないからやむをえず一曲奏でたが、その音、悠揚として迫らず、平生の武骨なのにも似ないで、いかにも巧妙であったから、列座のものが手を拍って感嘆したということだ。」

その3)勝海舟の「暴言」
アメリカ渡航の後、老中のひとりに尋ねられ「人間の生活はどこも同じです」と答えたところ、「いや何か違いがあるはずだ」というので・・・
「・・・亜米利加では、政府でも民間でも、およそ人の上に立つものは、みなその地位相応に怜悧でございますが、この点ばかりは、まったくわが国と反対のように思いまする」と言ったら、御老中が目を丸くして、「この無礼もの控えおろう」と叱ったっけ・・・


         

巨体の西郷さんと「豚姫」さんの様子を想像すると、それだけで確かに「いうにいわれぬ善い風情」を感じます。
古い時代には、洋の東西を問わず、楽器を奏でることも教養の一部として重要でした。録音技術の無い時代には、誰でも自分で音楽を奏でる(歌う)必要があったわけです。琴を弾く江川太郎左衛門を想像すると、やはり「いうにいわれぬ」優雅さを感じます。
幕末の江戸幕府は、因循姑息で無能な幕閣が多かったので、勝海舟は、そうした人々に辟易していたのだろうと思います。

勝小吉の文体は、その生き様同様ハチャメチャで、まともな日本語への翻訳が必要なほどですが、「いうにいわれぬ」痛快さがあります



     

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