みみずのしゃっくり

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「紛失」した書類

2009-06-06 | その他
   5月にアップする予定だったお話の続きです。


         


   友達のお父さんは高名な彫刻家でした。

   彼は美術アカデミー教授で、試験官も務めていました。

   その頃、アドルフ・ヒトラーという名の貧乏な画家志望青年が

   2回、美術アカデミーの試験を受け、2回とも落第しました。

   友達のお父さんも、ヒトラーを落第させた試験官のひとりです。

   友達に言わせると「私の父も、ちょっと第二次世界大戦に責任がある」そうな。

   確かに、ヒトラーがアカデミーに受かっていたら

   無名の画家で一生を終わったかもしれません・・・


   お父さんは、その責任を感じてか、反ナチスのレジスタンスに参加し

   ゲシュタポに逮捕されて、強制収容所へ送られるはずでした。

   ところが「収容所送り候補者」の書類を扱った担当官は

   お父さんの彫刻のファンで、当該の書類を意図的に「紛失」させたのです。

   それで、ヒトラーを落第させた彫刻家は、無事、終戦を迎えたのでした。



         


   Wikipedia:アドルフ・ヒトラー
   Wikipedia:ゲシュタポ
   Wikipedia:マウトハウゼン強制収容所(お父さんが行きそこなった強制収容所)

   「アドルフ」に関する以前の記事
   アドルフその1ドイツ
   アドルフその2スイス


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2 コメント

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Unknown (海月)
2009-06-07 12:46:43
そんな配慮ができる担当官がいたんですね。
人命を預かるとは、なんと責任の重い仕事なんでしょう。

フユの捜索でご心配おかけしました。
お陰さまでぶじ帰ってきましたよ。
応援していただいて心強かったです。ありがとうございます。
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海月さん (ななみみず)
2009-06-07 22:40:36
早速、フユくんの様子見てきました。良かった~
土曜日は外出で、パソコンを使いませんでしたが
時々「フユくん早く帰っておいで」と呼びかけていました。遥か遠くからですが・・・

ナチス時代の似たような話は、ほかにも沢山あるようです。
こういう人たちは「隠れシンドラー」「隠れ杉原」ですよね
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