みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

父・甘粕

2023-10-14 | その他


赤と虎で紹介し、わたしの名は赤で期待外れと書いた大博打Grosses Spiel、やはり気になるのでモデム不通期間に読みました。大杉栄には全く関心が無かったのですが、大正天皇もチラホラ登場し、当時の社会状況も描かれているので、読みだしたら面白くスラスラ読めました。何よりも、一人称の語り手として登場する甘粕正彦が全くニュートラルな存在であることに好感が持てました。
いわゆる甘粕事件では主犯とされていますが、明らかに真相を隠蔽するための「隠れ蓑」だったと思います。






物語は甘粕が1945年満州国で自殺するところで終わります。
本書には出てきませんが、甘粕の辞世の句は「大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん」という洒脱なものです。
この「大ばくち」が本書のタイトルに使われています。
「あとがき」によれば、著者ハンス・プラッツグマーの父親(2019年没)が謹厳実直・愛国心溢れる警察官で、まさしく甘粕のような人物であったということです。この本も父親に献呈されています。

以前に紹介した松吉伝によれば、甘粕は満州国建国にも大きく関与しているらしいのですが、本書ではその部分が欠落しています。公になっている文献や史料も殆ど無いからでしょう。

ついでに・・・大杉栄より伊藤野枝が凄いなぁと感心しました。

更についでに・・・私のコンピュータードクターがダウンロードしてくれたので「I am a Cat吾輩は猫である」も読み始めました。子供の頃日本語で読んだときの記憶はないのですが、とにかく笑えます。
Golden Demonって何だと思います?「金色夜叉」ですよ、ハハハ
英語版「吾輩」についても、そのうち書きますが・・・恒例、乞無期待






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