みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

わたしの名は赤

2023-09-14 | おきにいり


前々回で本が到着し、前回読みかけだった

Rot ist mein Name

先を読まずにはいられない面白さで、550ページを1週間で読み終わりました 伏線と言うか、思いがけない展開や肩すかしがあり、最後まで「油断のならない」物語です


英語Wikiの記事で述べられているように、中心的登場人物の名前カラは、トルコ語で「黒」を意味します。
つまりトルコ語読者は、常に赤と黒を意識して、あるいは潜在意識の中で対比しながら読むのでしょうね。

各章は様々な語り手が一人称で登場します。最初に登場するのは殺されたばかりの死体です。馬や犬や木や贋金も語ります。一番多く登場する語り手はカラですが、一度だけ「赤」も一人称で登場します。
この物語の本当の主人公は「赤」と細密画、そして、パースペクティブによる西洋絵画と細密画の間の相克です。

オスマントルコの細密画については英語Wikiに詳しい記事があります,
Ottoman miniature



オスマントルコの細密画2例









オスマントルコの細密画工房の様子





  



さて、前々回に触れた「大博打」も読み始めたのですが・・・
甘粕正彦が一人称の語り手です。ところが70ページまで読んだところ、大正天皇が少し登場する以外、殆ど大杉栄のことばかりなのです
私が読みたいのは甘粕正彦のことです。満州国とは何だったのかという問題です。まあ、オーストリア人から見れば大杉栄が焦点になるのかも知れませんが・・・
それで、この本は途中放棄しています。気が向いたら又読んでみるかも、かも





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