1938/10/27
1938年10月27日、アメリカのデュポン社は世界ではじめて人造繊維の工業化に成功し、新製品「ナイロン」を発表しました。当時のキャッチコピーは、「空気と石炭から作られる、クモの糸より細く鋼鉄より強い繊維」でした。そして1940年5月15日には、デュポン社はナイロン製ストッキングを発売し、働く女性の間でたちまち人気商品になりました。(これを記念して、5月15日は「ストッキングの日」とされています。)
ナイロンを発明したのは、デュポン社の基礎研究グループのリーダー、ウォーレス・カロザースでした。「高分子合成」を研究していた彼は、-CONH-結合をもった高分子 -[-CONH-○-CONH-△-]n- からでも、絹に近いものができると考え、様々なジアミンとジカルボン酸とを組み合わせた縮合重合を行いました。そしてついに、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとを加熱,脱水結合による縮合重合で、
・・・CONH-(CH2)6-NHCO-(CH2)4-CONH・・・
という-CONH-結合の繰り返しをもつ高分子化合物の合成に成功しました。
彼のこの発明後、1935年には「強くしなやかな繊維ナイロン」の商品化が決まり、ナイロンは量産体制化のためにカロザースの手を離れて多くの技術者の手にゆだねられました。そしてこの頃、カロザースは謎の自殺を遂げたのでした。当時はまだナイロンは企業秘密でしたので、新聞には「合成ゴムの発明者、自殺」と記され、世界初の合成繊維の発明者とは書かれませんでした。
2005.10.9 作成 KS
1938年10月27日、アメリカのデュポン社は世界ではじめて人造繊維の工業化に成功し、新製品「ナイロン」を発表しました。当時のキャッチコピーは、「空気と石炭から作られる、クモの糸より細く鋼鉄より強い繊維」でした。そして1940年5月15日には、デュポン社はナイロン製ストッキングを発売し、働く女性の間でたちまち人気商品になりました。(これを記念して、5月15日は「ストッキングの日」とされています。)
ナイロンを発明したのは、デュポン社の基礎研究グループのリーダー、ウォーレス・カロザースでした。「高分子合成」を研究していた彼は、-CONH-結合をもった高分子 -[-CONH-○-CONH-△-]n- からでも、絹に近いものができると考え、様々なジアミンとジカルボン酸とを組み合わせた縮合重合を行いました。そしてついに、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとを加熱,脱水結合による縮合重合で、
・・・CONH-(CH2)6-NHCO-(CH2)4-CONH・・・
という-CONH-結合の繰り返しをもつ高分子化合物の合成に成功しました。
彼のこの発明後、1935年には「強くしなやかな繊維ナイロン」の商品化が決まり、ナイロンは量産体制化のためにカロザースの手を離れて多くの技術者の手にゆだねられました。そしてこの頃、カロザースは謎の自殺を遂げたのでした。当時はまだナイロンは企業秘密でしたので、新聞には「合成ゴムの発明者、自殺」と記され、世界初の合成繊維の発明者とは書かれませんでした。
2005.10.9 作成 KS