今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

バレンタインデーにチョコレートから青酸ナトリウム検出(1977/02/26)

1977-02-26 00:00:00 | 生物系
(1977/02/26)

2月14日といえば、バレンタインデーです。
この日に女性から意中の男性へチョコレートを贈る風習は日本だけのようですが、多くの人がチョコレートを買い求め、ちょっとしたお祭り気分を楽しむ日でもあります。
1977年(昭和52年)2月14日、東京駅八重洲の地下街にグリコのチョコレート40箱が入ったショッピングバッグが置かれてあり、それを見つけ交番に届けた人がいました。その年は1月に、電話ボックスに置いてあったコーラを飲んだ高校生が、混入されていた青酸ナトリウムで死亡した事件があったばかりで、もし毒が入っていたらと思い、交番に届けたのだそうです。交番は落とし主が現れないため、10日後に江崎グリコ東京支店に返却しました。そこで製造番号が切り取られていることや、セロファンが破れていることに不審を抱いた東京支店は、本社研究所に分析を依頼したところ、なんと40箱のうち4箱の1粒、合計4粒(一箱10粒入り)に致死量の0.3gの青酸ナトリウムが検出されたというのです。
1977年2月26日、警察はバレンタインを狙った計画的無差別殺人未遂事件として捜査を開始しました。この事件は青酸コーラ事件と同一犯人である疑いもあると見て大がかりな捜査が行われましたが、ついに犯人を捕まえることはできず迷宮入りになってしまいました。

青酸ナトリウムはシアン化ナトリウム(NaCN)のことで、俗に青酸ソーダといわれています。古くから毒物として知られており、金、銀、亜鉛などの冶金(やきん)やメッキ、ある種の有機合成化学には欠かせない薬品です。口から接種した場合、致死量は0.2~0.3gと言われています。青酸イオンは細胞の呼吸を阻害し、からだを低酸素状態にして死に至らしめます。人の呼吸は、赤血球内のヘモグロビンという色素にある鉄イオンが肺で酸素と結合し、からだの各部で酸素を離して細胞内に酸素が取り込まれることで成り立っています。青酸イオンはこの鉄イオンに結合してしまい、呼吸障害を引き起こすのです。

2006.02.06 作成 KS