今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

ラジオドラマ「火星からの侵入」で全米が大パニック(1938/10/30)

1938-10-30 00:00:00 | 生活全般
1938/10/30

 1938年10月30日、アメリカのCBS放送は流していたオーケストラの演奏を突然中断し、緊急ニュースを流しました。その緊急ニュースの内容は「最新ニュースをお伝えします。午後8時50分、隕石と思われる閃光を放つ巨大な物体が、トレントンから22マイルのニュージャージー州グロバーズミル近郊の農場に落下しました」というものでした。やがて、その物体は隕石ではなく地球上にはない金属で作られている、物体の中から怪物が姿を出し街を襲っている、これは火星人の来襲だ、派遣された軍が全滅した、人々はただただ祈るばかりであるなどとの実況が続きました。

 実はこの放送はCBSがH.G.ウェルズの「宇宙戦争」をハロウインの余興として流したものでした。番組の初めに、これから「宇宙戦争」のラジオドラマを流すというアナウンスがありましたが、たくさんの人が本当の出来事と勘違いをして大パニックが起こりました。

 このラジオは少なくても全米で600万人が聞いていました。100万人以上の人が不安になったり、おびえたりしたそうです。実名のあがった地域では市民が猟銃を持って外に出たりして、発砲事件などもあり大騒ぎになりました。

 ラジオ局はこの事態を知り、途中で放送を中断したり、ニュースがドラマであることを伝えたりしました。放送中、4回も「宇宙戦争」のドラマを流していることがアナウンスされたのにもかかわらず、事態が収拾するまでかなりの時間がかかりました。この事件は、情報を鵜呑みにすると、このような大パニックが簡単に引き起こされてしまう例として、今でも社会心理学の研究材料になっています。

2005.10.10 作成 MK

デュポン社、ナイロン発明を発表(1938/10/27)

1938-10-27 00:00:00 | 化学系
1938/10/27

1938年10月27日、アメリカのデュポン社は世界ではじめて人造繊維の工業化に成功し、新製品「ナイロン」を発表しました。当時のキャッチコピーは、「空気と石炭から作られる、クモの糸より細く鋼鉄より強い繊維」でした。そして1940年5月15日には、デュポン社はナイロン製ストッキングを発売し、働く女性の間でたちまち人気商品になりました。(これを記念して、5月15日は「ストッキングの日」とされています。)

ナイロンを発明したのは、デュポン社の基礎研究グループのリーダー、ウォーレス・カロザースでした。「高分子合成」を研究していた彼は、-CONH-結合をもった高分子 -[-CONH-○-CONH-△-]n- からでも、絹に近いものができると考え、様々なジアミンとジカルボン酸とを組み合わせた縮合重合を行いました。そしてついに、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとを加熱,脱水結合による縮合重合で、

・・・CONH-(CH2)6-NHCO-(CH2)4-CONH・・・

という-CONH-結合の繰り返しをもつ高分子化合物の合成に成功しました。

彼のこの発明後、1935年には「強くしなやかな繊維ナイロン」の商品化が決まり、ナイロンは量産体制化のためにカロザースの手を離れて多くの技術者の手にゆだねられました。そしてこの頃、カロザースは謎の自殺を遂げたのでした。当時はまだナイロンは企業秘密でしたので、新聞には「合成ゴムの発明者、自殺」と記され、世界初の合成繊維の発明者とは書かれませんでした。

2005.10.9 作成 KS