今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

米軍、ベトナム非武装地帯に枯れ葉剤空中撒布を開始(1967/02/06)

1967-02-06 00:00:00 | 生物系
1967/02/06

ベトナム戦争は1960年初頭から1975年まで、ベトナムの地で繰り広げられた北ベトナムと南ベトナムの武力衝突をいいます。しかし、実際には、南ベトナムを支援したアメリカと北ベトナムを支援したソ連・中国との政治戦略的な戦いが背景にありました。

ベトナム戦争でのアメリカ軍の枯葉作戦は、ベトナムの森林や田園地域を破壊し食料の供給を絶つことと、ベトコンがジャングルに隠れられないようにすることが目的であったといわれています。
飛行機やヘリコプターからの空中散布は1962年から約10年間にわたって行われましたが、1967年2月6日は、南北境界17度線の、非武装地帯への空中散布が開始された日です。

枯葉剤とは、2,4,5-Tと2,4-Dと呼ばれる物質が1:1の割合で混合された液体です。このうち、2,4,5-Tの中には高濃度のダイオキシンが不純物として混入していました。枯葉剤そのものは散布後まもなく環境中で分解されてしまいますが、ダイオキシンは分解されず、食物連鎖によって生物の体内に蓄積され、濃縮されていきます。当時ダイオキシンの毒性は、今ほど認知されていなかったため、ベトナムにいた兵士や農民たちは、直接枯葉剤を浴びただけでなく、汚染水を飲み、汚染穀物も食べ続けたのでした。人体の中に入って、脂肪組織に蓄積されたダイオキシンは次世代にも影響を及ぼし、戦争が終わって30年も経つ現在でも、人々を苦しめています。
ガンの発生率の急増、神経障害や流産、死産、先天性異常が多発し、米国や韓国の帰還兵にも被害が出ているという報告もあります。

2006.1.29 作成 KS