今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

花粉予報開始(1990/02/13)

1990-02-13 09:43:48 | 生物系
花粉予報開始(1990/02/13)

春になると、多くの人が悩まされる花粉症。この花粉症で患者数が最も多いのはスギ花粉症です。1960年代に林野庁が中心となり、大量のスギを植えました。高度経済成長のさなかで、木材需要が急増しており、自給しようと考えたからです。
ところが海外産の木材が安価で輸入されるようになり、高価な国産木材が利用されなくなってきたのです。
そのため、枝打ちなどの適切な管理が行なわれる事なく放置され、最大の花粉放出期である植林後40~50年後の最近になって大きな問題になってきたのです。
スギは風媒花の植物で、受粉を風にたよっていいますから、軽い花粉を大量につくり、空気中に散布させる訳です。この花粉に対するアレルギー症状がスギ花粉症です。

このように、スギが植物として当たり前の生活をしていく中で生じる花粉を、今までの人間の都合によって放置され大量飛散につながっているという事をふまえると、簡単に伐採というのが適切な処理なのだろうかという論議があります。

そこで効果を期待したいのがこの花粉予報です。これは1990年から始まりました。
花粉症患者さんは飛散が本格化する2週間程前に抗アレルギー剤を投与する事で劇的に症状を軽減できます。そこで、飛散開始日を事前に正確に把握する事が必要になってきます。
飛散自体は1月以降の気温に左右されます。積算温度によって予測できる式もありますから、今後さらに精度を増していくのではないかと考えられます。
また、患者数の増加の関係で、花粉予報を地域毎、時間毎により細分化していくことも必要であるといわれていいます。