今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

エレベーターの日(1979/11/10)

1979-11-10 00:00:00 | 生活全般
 エレベーターの日は、日本エレベーター協会が1979年(昭和54年)に制定しました。


 制定の年からおよそ100年前、1890年(明治23年)11月11日に、後に浅草十二階という愛称で親しまれる凌雲閣という建物が、浅草にオープンしました。「雲を凌ぐほど高い」と名付けられたこの凌雲閣は、当時ではめずらしい十二階もある高層建築で、最上階の展望室からは伊豆までも見渡せたそうです。この凌雲閣の目玉の一つが、日本初の電動式エレベーターに乗れるということでした。アメリカ製の15馬力のモーターで、一度に20人を乗せて動くエレベーターでした。


 11日の招待客向け開業式には大勢の人が詰めかけたようですが、残念ながら1~2時間でエレベーターは故障してしまいました。そこで、せめてモーターだけでもということで、モーターを見てもらう事になったそうです。


 その後も凌雲閣のエレベーターはたびたび故障してしまい、開業から半年後には危険であるという理由で運転を停止させられてしまいました。凌雲閣は浅草のシンボルとして親しまれてきましたが、1923年の関東大震災で上の階が壊れたため、爆破されています。


 凌雲閣開業は11月11日なのに、どうしてエレベーターの日は11月10日なのでしょうか。これには、ちょっとした理由があります。実は、凌雲閣開業は10日の予定で、10日に開業式をすると新聞広告や電柱広告で広く知らされていました。しかし、10日はあいにく天気が悪く、開業式が延期になってしまいました。当時は、道路が今のように整備されているわけではないので、天気が悪ければ交通や服装の問題から式典は簡単に延期されたのだそうです。


 とはいえ、エレベーター自体は10日に凌雲閣に引き渡されて運転可能な状態になっていました。そのため、10日がエレベーターの日となったのです。


 日本初の電動式エレベーターから100年以上がたち、今ではデパートやビルはもちろん、一般家庭にもエレベーターが取り付けられるようになっています。