今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

純国産ロケットH2打ち上げ(1994/02/04)

1994-02-04 20:00:51 | 宇宙開発
 1994年2月4日、純国産ロケットのH-IIロケット(試験機1号機)の打ち上げが成功しました。ロケットの性能確認衛星「みょうじょう」と有翼宇宙往還機HOPEのためのデータ収集用軌道再突入実験機「りゅうせい」が搭載されていました。H-IIロケットは、重量2トン級の静止衛星打上げ能力をもつ、大型ロケットです。これまで、アメリカの技術を導入して開発してきたロケットに変わり、全て国産の技術による2段式ロケットです。第1段には、H-IIロケットのために新たに開発した、真空中で約110トンの推力をもつLE-7と呼ばれる大型で高性能な液体酸素・液体水素エンジンを、また第2段には、H-IIロケットで開発したエンジンをさらに高性能、高信頼化したLE-5Aエンジンを採用しました。1トン程度の静止衛星なら、同時に2個打ち上げることが可能で、他国のロケットで同じくらいの打ち上げ能力を持つものは、2~3倍の大きさを必要とし、当時もっとも効率的なロケットとして開発されました。
 一方、H-IIロケットは、性能上は非常に効率的なロケットでしたが、その経済性(打ち上げコスト)は決して良いものではありませんでした。当時、各国のロケット打ち上げコストを見ると、アメリカのデルタロケットは1機約90億円、ヨーロッパのアリアンロケットは100~130億円、ロシアのプロトンロケットは43~67億円でしたが、日本のH-IIロケットは190億円でした。改良型であるH-IIAロケットの開発目的のひとつに打ち上げコストの削減があげられていたことからもわかります。その結果H-IIAロケットは90億円台までコストダウンしています。
 さて、H-IIロケットは1994年の初フライト成功以来、静止気象衛星「ひまわり5号」や技術試験衛星「きく6号、7号」などの打ち上げに貢献してきました。しかし、1998年の5号機は軌道投入に失敗し、1999年の8号機も打上げ失敗しました。その結果、以後に予定していた7号機の打上げを中止し、その使命を終了し、その技術は次のH-IIAロケットに引き継がれました。(HY)