電話の発明は1876年。アメリカのグラハム・ベルによって発明されました。声を電気信号に変えて遠くに伝えるという発明は、人と人との距離を変えてしまうほどの影響があるものでした。
その電話が日本で使われるようになったのは、1890(明治23)年、12月16日のことでした。
はじめ、日本の電話は東京市内と横浜市内を結んでサービスが開始されましたが、東京府庁や逓信省といった公の機関含めても含めてもたった197しか契約がありませんでした。個人で契約したのは、大隈重信や前島密といった地位の高い人ばかりだったようです。しかし、その便利さがわかるにつれて加入者が増え、2年後には7倍を超える1504まで契約数を伸ばしました。
当時の電話は、番号を押せば相手につながるという便利な物ではありませんでした。まず、電話機についている手回し式発電機をグルグルと回して電話局の交換手を呼び出します。その交換手に「○○番につないでくれ」と言うと、交換手が相手を呼び出して、電話線をつないでくれるのです。さらに、電話が終わったときにも発電機を回して交換手を呼び出し、電話が終わったということを伝えなければなりませんでした。
電話交換の仕組みも電話機もすっかり進歩して、いまではこのような電話のかけ方は映画の中だけの物になってしまいました。しかし、機械が自動的にやっているだけのことで、同じような作業が今でも行われているのです。
日本での電話サービス開始を記念して、12月16日は電話の日となっています。
2005/11/24 作成 TH