今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

日本の電話サービス開始(1890/12/16)

1890-12-16 00:00:00 | 生活全般
 電話の発明は1876年。アメリカのグラハム・ベルによって発明されました。声を電気信号に変えて遠くに伝えるという発明は、人と人との距離を変えてしまうほどの影響があるものでした。


 その電話が日本で使われるようになったのは、1890(明治23)年、12月16日のことでした。
 はじめ、日本の電話は東京市内と横浜市内を結んでサービスが開始されましたが、東京府庁や逓信省といった公の機関含めても含めてもたった197しか契約がありませんでした。個人で契約したのは、大隈重信や前島密といった地位の高い人ばかりだったようです。しかし、その便利さがわかるにつれて加入者が増え、2年後には7倍を超える1504まで契約数を伸ばしました。


 当時の電話は、番号を押せば相手につながるという便利な物ではありませんでした。まず、電話機についている手回し式発電機をグルグルと回して電話局の交換手を呼び出します。その交換手に「○○番につないでくれ」と言うと、交換手が相手を呼び出して、電話線をつないでくれるのです。さらに、電話が終わったときにも発電機を回して交換手を呼び出し、電話が終わったということを伝えなければなりませんでした。


 電話交換の仕組みも電話機もすっかり進歩して、いまではこのような電話のかけ方は映画の中だけの物になってしまいました。しかし、機械が自動的にやっているだけのことで、同じような作業が今でも行われているのです。


 日本での電話サービス開始を記念して、12月16日は電話の日となっています。


2005/11/24 作成 TH


破傷風血清療法の日(1890/12/04)

1890-12-04 17:06:48 | 生物系
1890/12/04

破傷風やジフテリアという病気は聞いたことがあるけれども、実際に感染した人は知らないという病気ではありませんか?
なぜならば、日本を含む多くの国では幼少時の予防接種により、皆が免疫抗体を持っており、感染することがほとんどないからです。小さなお子さんのいる方ならば、三種混合ワクチンの接種(ジフテリア、百日咳、破傷風)といえばわかるかもしれません。

1890年、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホのもとに留学していた北里柴三郎は、同じくドイツのフォン・ベーリングと共に、「動物におけるジフテリア免疫と破傷風免疫の成立について」と題して、血清を用いた免疫抗体の形成について発表しました。この研究は、後の血清療法の基礎となる大発見でした。
北里は、破傷風菌が嫌気性の細菌であることを発見し、世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功していました。そこで、破傷風に感染して死に至るのは、破傷風菌によるものではなく菌の出す毒素によるものであることを解明し、さらに毒素で免疫を形成した血清を用いて治療する方法を発見したのです。この発見に加え、ベーリングがジフテリアの免疫抗体について研究し、2人の共同研究として発表したのです。

1901年にはこの論文の第一著者であったベーリングが、この研究で第1回ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。北里が受賞できなかったことについて、その理由は明確にされていませんが、当時の時代背景や差別観などが憶測されています。ブダペストの薬学教授のボケイは、ベーリングと北里を破傷風の抗毒素を発見して現代医学の新しい時代を切り開いたとして評価し、二人を受賞者として推薦していましたし、当のベーリングも、自分の研究が短時日のうちに成功したのは、北里の驚嘆すべき先駆的研究のお陰であり、北里の協力によってのみなし得たことを強調していたそうです。