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西松事件 検察の冒頭陳述

2009-06-28 00:43:09 | メディアから
西松事件の元社長の公判が開かれ、一日で結審したという。検察の冒頭陳述では、もっぱら小沢事務所に関しての「天の声」なるものが何の証明も為しに多くつかわれている。毎日.JP 6月20日の記事を全文引用する
以下引用
西松建設献金事件:検察側冒頭陳述(要旨)
 国沢幹雄被告らに対する検察側冒頭陳述の要旨は次の通り。(呼称、敬称略)

 ■規正法違反被告事件について

 ◇新政治問題研究会(新政研)、未来産業研究会(未来研)名義の献金スキーム
 95年施行の政治資金規正法改正で規制が強まり公表基準も厳格化した。当時の社長らから対応を指示された国沢(当時、事務本部長)は経営企画部長らから、実体のない政治団体名義で献金すれば社名公表を避けられるなどの提案を受けた。新政研などは会則等を形式的に整えたが、「会員」とされた者は会費名目の払い込みをするだけで何ら活動はしなかった。

 ◇小沢氏側政治団体に対する多額献金
 <岩手県などにおける業者選定>

 東北地方では昭和50年代初め、ゼネコン各社による談合組織が設立されて以後、談合で公共工事の受注業者を決めていた。岩手県下では、遅くとも昭和50年代終わりころから、小沢一郎議員の事務所が影響力を強め、その意向が「天の声」とされ、本命業者の選定に決定的な影響力を及ぼすようになった。また、1997年ころからは秋田県下の一部公共工事への影響力も強めるようになった。すなわち、岩手、一部秋田県下の公共工事受注を希望するゼネコンは小沢事務所に「天の声」を出してほしい旨陳情し、了承が得られた場合には、仕切り役に連絡する。仕切り役は真実「天の声」を得ていることを直接、同事務所に確認した上で、本命業者を決める旨の談合がとりまとめられていた。そのため各ゼネコンは名前を隠して下請け企業等から多額の献金を行わせた。

 <多額寄付の経緯>

 国沢は95年、東北支店長から必ずしも小沢事務所との関係が良好でなく、岩手県下の公共工事を思うように受注できない状況にあり、業績を伸ばすためには多額の献金をする必要があるとの説明を受けた。その上で、同事務所からの要求に応じ、同年中に複数名義を用いて1000万円超を献金することの了承を求められた。それまで業界団体の申し合わせに基づき、年間300万円程度の献金しかしていなかったが、国沢は支店長の話を了承した。支店長は96年岩手県発注の秋丸トンネル工事を受注したい旨、小沢事務所に陳情して本命業者となり、落札できた。

 <継続的寄付の合意>

 支店長は97年、小沢事務所と交渉し、以降は年間2500万円を継続的に寄付する申し合わせをした。同事務所からの示唆もあり、西松建設からは1500万円、残る1000万円については下請け企業群から寄付するという枠組みにした。どの団体にいくら振り込むかという割り振りは、本社総務部長が同事務所側と打ち合せをし、同事務所からは請求書が送付された。

 00年、同事務所側から、多額の献金が社会の耳目を引かないよう名義を分散してほしいと要請された。国沢らは談合で公共工事を受注している事実をより確実に隠すため、以後は西松名義での寄付は止め、代わりに未来研名義の献金を加えるなどした。そのころから同事務所では大久保隆規秘書が「天の声」の発出などの業務を行うようになっていた。

 05年、業績悪化を理由に国沢は最も大口の小沢氏側への寄付を減額したいと、総務部長から相談された。国沢も営業上多大な支障がなければ減額したいと考え、同事務所の了承を得るべく丁寧に説明するよう指示した。

 <犯行状況>

 06年に入り、国沢は不快感をもたれない形で献金を終了させるべく交渉するよう指示を出した。直ちに止めるとすると、納得を得られない恐れが強かったため、同年においては新政研、未来研に残る資金のほぼ全額、500万円を寄付し、それをもって終了した。

 <「天の声」を得て受注した状況>

 95~06年の間、小沢氏側に多額の寄付を行う一方、東北支店長らが東京の小沢事務所に陳情して、計5件の工事で「天の声」を得た。うち4件は実際に談合が成立し、落札額は合計約122億7000万円(共同企業体のため自社分は計約59億円)だった。

 ◆検察側証拠(要旨)

 ◇鹿島東北支店の談合担当者で業界の仕切り役の供述調書
 岩手、秋田の公共工事では小沢事務所に逆らって本命を指定することはできず、天の声があったら従わざるを得なかったため、業者はこぞって選挙運動や献金をして小沢氏を支援していた。

 「ぜひとも」という工事があれば、業者は小沢事務所から了解を得て(仕切り役の)鹿島に伝えてきた。私は小沢事務所の秘書に電話し確認する役割だった。私が小沢事務所に意向を伝えることもあったが、最終的に小沢事務所が了承しなければ本命にできなかったし、逆に小沢事務所が本命と伝えてきたら本命にせざるを得なかった。

 西松が落札した「簗川(やながわ)ダムトンネル工事」(03年、岩手県)は西松の担当者が鹿島に来てアピールした。「小沢事務所から本命の了解を得た」と言ってきたので、私は「静かにしていろ。他社に言うな」と指示し、大久保被告に「西松でよろしいでしょうか」と聞いた。すると大久保被告は「結構です」と言った。

 ◇西松建設東北支店社員の供述調書
 簗川ダムトンネル工事について、当時の東北支店盛岡営業所長が、大久保被告に「簗川ダムはよろしくお願いします」と言ったところ了解を得られたため、談合組織の仕切り役(鹿島)に伝え、工事を受注できた。

 遠野第2ダム建設工事(06年、岩手県)に関して何度も大久保被告に「お力添えお願いします」とお願いした。大久保被告は「他のゼネコンも来ている」と良い返事をくれなかったが、05年ごろ「よし分かった。西松にしてやる」と言われた。しかし談合決別の合意(05年12月)もあり受注はかなわなかった。

 ◆大久保被告の供述調書(要旨)

 西松建設部長から06年初「小沢先生を支援してきたけどもう限界。献金を打ち切らせてください」と切り出された。経営が厳しいと認識しており「あい分かりました。業績が回復したらまたよろしくお願いします」と伝えた。新政研、未来研の2団体からの献金が実際は西松建設側からの献金と知っていた。献金が部長判断ではなく、しかるべき人間の決裁を経ていると認識していた。05年1300万円、06年500万円と減額されたのも、しかるべき人の判断と認識していた。

 ◆大久保被告の弁護団の所感(要旨)

 大久保隆規被告の弁護人、伊佐次啓二弁護士が19日、発表した「弁護団の所感」の要旨は次の通り。

 2政治団体による献金やパーティー券購入の相当部分は、他の団体へのものも相当あるにもかかわらず、国沢氏の起訴は小沢氏側に対する献金だけに限られている。検察官がダミー団体による西松の献金と断じる多くの部分を不問に付し、特定分(小沢氏分)のみ起訴したことに正当な理由があるのか、先日報道された検察審査会の指摘にもあるが疑問と言わざるを得ない。

 自民党関係の団体が西松関係の政治団体から献金を受けた事実について検察官は証拠が十分であるにもかかわらず、冒頭陳述で実態を明らかにしていない。結局、大久保氏を狙い撃ちにしたのは誰の目から見ても明らか。このような冒頭陳述は大久保氏にとって欠席裁判に等しく、著しくバランスを欠き、到底容認できない。

 検察官は特に岩手県下の公共工事について小沢事務所の意向に基づいて受注業者が決定されたなどと主張したが、一部の者の一方的供述に基づくものであり、その主張内容も極めて抽象的。大久保氏が具体的な工事で検察官の言う「決定的な影響力」をいついかに行使したのか、そもそも「決定的な影響力」とは何か、まったく具体性を欠いている。大久保氏が受注者を決めていた事実は一切なく、大久保氏がこれに関する取り調べを受けたこともない。「決定的な影響力」を具体的に裏付ける証拠も何一つ出されていない。
引用終り

出来れば全文をと思いいろいろ探してみたが、毎日.jpの記事が一番詳しかった
記録として全文を引用させて頂いた。子の冒頭陳述に関し、山口一臣氏はBLOG「ダメだめ編集長日記」において「「検察は国策捜査を自白した!」とどいして次のように論じている。一部のみ引用して趣旨を違えても困るのでこれも全文を引用させて頂く  以下引用
「 しかし、きのうの西松建設事件初公判での検察側冒頭陳述は本当にひどいものだった。高野さんの指摘しているとおりである。
 週刊朝日では過去に何度か「検察の劣化」という特集を組んでいるが、このタイトルは〝売らんかな〟の思惑で若干大袈裟かな、と思いながらつけたものだ。しかし、あの冒陳を読んだら、大袈裟どころか、ここまで劣化が進んでいたのかと悲しくなった。

 通常、週刊誌の記事でも記者が書いて、デスクがチェックし、校了までには編集長も必ず原稿を読むものだ。検察庁ではこの種の文書は誰もチェックしないのだろか。いや、そんなことはないはずだ。だとすれば、この冒陳は検察の意志の表れといえる。それは、民主党にダメージを与えて、政権交代を阻もうという強い意志に他ならない。冒陳によって検察は、今回の捜査に邪(よこしま)な動機があったことを自白したのも同然だ。

 そもそもきのうの公判は、西松建設の国沢幹夫前社長と藤巻恵次元副社長の外為法違反事件が主で、政治資金規正法事件は付け足しだったはずだ。国沢被告の外為法違反は海外から無届けで7000万円を持ち込んだ罪、一方、政治資金規正法違反はダミー団体を通じて500万円を献金した罪、どっちが重いかは明らかだ。

 ところが、冒頭陳述では大半を政治資金規正違反に費やし、国沢被告らの事件とは何の関係もない「昭和50年代」からの東方地方の談合の歴史を延々と説明した。冒陳は本来、起訴した事件の立証すべき事項を説明するものだ。検察が法に基づき適正に仕事をしようと思ったら、余計なことは書くべきではない。明らかな逸脱である。

 しかも検察は、実態も定かでない「天の声」という言葉を10回も使って、小沢事務所が談合を仕切っていたかのようなストーリーを組み立てた。ご丁寧に西松建設から小沢側への献金リストや工事受注表までつけている。すでに起訴事実を認めている国沢被告らの事件の立証に、どうしてこんなものが必要なのか。

 検察の筋書きは、国沢被告らは東北地方の公共事業の工事を取るため、小沢事務所に献金をして、談合で「天の声」を出してもらったというものだ。そうしてこれを仕切っていたのが小沢一郎前代表秘書の大久保隆規被告だったというのだ。驚いたのは、検察がこの公判で大久保秘書の供述調書を持ち出し、読み上げたことだ。大久保氏の裁判はまだ始まっておらず、反論の機会もない。こんな不公平なことがあるだろうか。そもそも国沢被告らの事件の立証に、なぜ大久保氏の供述が必要なのかもわからない。

 冷静にまじめに考えてほしい。なぜ野党の政治家に公共工事を仕切る力があるのか。「天の声」とは、誰が誰に働きかける場合に用いる言葉なのか。具体的にどんな仕組みで工事受注者が決まるのか。冒陳にはいっさい触れられていない。抽象的な「天の声」という文言が繰り返し出てくるだけだ。しかも、「天の声」はもともと、発注者側の意向を表す言葉で、1990年代のゼネコン汚職のときに使われていた。小沢事務所側がどうしてその「天の声」を出すことができたのかの説明もない。

 それにもし、検察の筋書きが事実ならば、秘書の大久保氏は談合罪やあっせん利得罪などで再逮捕・起訴されていないとおかしい。だいたい、昭和50年代から小沢事務所が東北の公共工事の談合を仕切ってきたというなら、なぜ検察はいままでそれを見過ごしてきたのだろう。実はここに、検察の恥部がある。

 小沢事務所による東北地方のゼネコン支配の構図については、ジャーナリストの久慈力氏と横田一氏が1990年代に余すところなく描いている。96年8月には緑風出版から『政治が歪める公共事業 小沢一郎ゼネコン政治の構造』として単行本にもなった。これを読めば、誰がシステムを作り上げ、談合を仕切っていたかがよくわかる。

 ところが、「昭和50年代」からの東北地方の談合の歴史を解き明かした(爆)、検察の力作冒陳には、この人物に関する記述がいっさい出てこないのだ。なぜか。
 実はこの人物はいま、自民党の次期衆院選の公認予定候補で同党の選挙区支部長になっていて、真偽のほどは定かでないが、検察がこの人物と〝司法取り引き〟したのではないかといわれている。長期に渡って談合を仕切ってきた「真犯人」を見逃してまで、検察は小沢を潰したかったというわけだ。

 いずれにしても、西松建設側の被告の犯罪を立証するための公判が別の邪な目的のために使われたことは間違いない。冒陳の目的はズバリ、国沢被告らの犯罪の立証ではなく、新聞に「天の声」と書かせることだった。そして、それはまんまと成功した。

〈小沢事務所が「天の声」〉

 夕刊のない産経新聞を除く19日付の全国紙各紙の夕刊1面は、まるで申し合わせたかのように同じ見出しが並んでいた。わかりやすい。

 しかし、検察はこんなことをしていったい何がしたいのだろう。新聞がいくら「天の声」と書いても、もう国民は騙されない。新聞が「検察寄り」のメディアであることが知れ渡ってしまったからだ(週刊朝日の編集部には、そのような投書がバンバン来ている。読者がメディアの内側を知る。それはメディアリテラシー的にはいいことだ)。

 では、検察はなぜあんな陳腐な冒陳を書き、新聞に「天の声」と書かせたのか。おそらくたぶんの推測だが、単に捜査に関わった検事たちが「溜飲をさげたかった」からではないか。いろいろ頑張って、大物政治家秘書を挙げたのに、世論は絶賛してくれず、思いがけない非難の嵐で耐えられなかったのだと思う。大久保氏の初公判を待ったら、選挙が終わってしまい、もしかしたら民主党政権になっているかもしれない。だったらこのチャンスに反撃して、なんとか民主党にダメージを与えておきたいという、思惑からとしか考えられない。

 それが回りまわって、結局、検察自身の首を絞めることになるとも知らずに。

 先ごろ発表された「政治資金問題第三者委員会」の報告書には民主党の小沢前代表のヒアリング記録が資料として付けられていた。そこにはこんなくだりがある。「今回の件で明らかになったように、検察権力の行使の仕方によっては、政治に対して実に大きな影響が生じてしまいます。(中略)そういう検察権力の行使に対して、まったくチェックするシステムがないということは問題だと思います。(中略)検察の権力行使に対して何らかの公正なチェック・システムをつくることが重要ではないかと思います」。

 検察が政治的思惑を持った恣意的な捜査をすれば、それは逆に政治が介入する口実を与えることになる。こんな簡単なことさえ自覚できないほど、検察は劣化してしまったということだ。残念だ。

投稿者: 山口一臣
引用終り
パックインジャーナルで2・3回ご意見を拝聴しました。近頃あまりお出にならないのが残念です。ここまで言っていただくと追加することはありません


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