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 倒産を望む債権者たち (CDSが生んだもの))

2009-06-02 23:11:00 | メディアから
このBLOGでCDSの問題を取り上げたのは、昨年の10月13日と、10月の23日であった。10月23日の末尾は、次のように結ばれていた
「他人の財産に保険をかけ、破綻を願うという事が正しいとは思えません。しかし買収しようとする相手の資産を担保に金融する事にしても、今回のCDSにしても、とてもまともな事には思えません。金貸しは金貸し。あぶく銭を手にすればそれでよいか・・・・ 」 今回GMの破綻の際起こったことはまさにそれが具体化した姿のように思えます。 6月2日発行の日刊ゲンダイ 金子勝の「天下の逆襲」と言うコラムにこんな文章がありました。メインタイトルは「債権者が企業倒産を望むという米国の異常事態」と題され次のように論じている。以下全文を引用させて頂きます。 以下引用
「アメリカの金融資本主義は、行きつくところまで行きつつある。とうとう、金融業が製造業を食いつくし、まともな製造業が消滅しかねない事態が訪れようとしている。それは1980年代からGMやGEといった大手メーカーが、金融業に手を出しはじめた頃から始まったように思う。かって経営のお手本と賞賛されたGEキャピタルやGMACが、いまや世界金融危機に直撃され、本業の屋台骨をも大きく傷つけてしまった。
加えて、最近わかってきたことは、金融革新によって作り出されたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)という金融デリバティブが、大手メーカーを倒産に追い込む要因になりかねなくなっていることだ。CDSとは乱暴に言ってしまうと「倒産保険証券」だ。企業が倒産しても、債権者は元本を保証されると言うものである。その多くは、破産法11条が適用された場合に、元本保証が履行される。CDSを保有していても、企業を潰さないと元本が保障されないので、企業倒産を望むファンドが生まれているのだ。
今までならば、大手企業が経営危機に陥った時、貸し手や債権者は、潰すことを嫌がるのが普通であった。倒産してしまえば、貸付金が取り戻せなくなってしまい、債権も無価値になってしまうからだ。だから、債権者会議で、借金の棒引きや債権を株式との交換に応じた。
ところが、CDSが登場したことによって、企業破綻を求める貸し手や債権者が現れる事態になってしまった。クライスラーの債権者会議でなかなか合意できなかったのも、そのせいではないかといわれている。クライスラーの破綻に際して、オバマ大統領は『この状況になったのはヘッジファンドが原因である』と発言した。借金の棒引きに応じて企業を存続させるより、潰してしまった方が得な債権者たちを
『空っぽの債権者』と呼ぶ。
いまやアメリカの花形産業であった自動車企業は風前のともしびである。このままでは、責任のない『空っぽの債権者』たちが、アメリカを製造業のない『空っぽの国』にしてしまうかもしれない」  引用終り
このコラムは、GMが破綻する前に書かれたものでしょう。しかし、なぜ、GMなどと言う巨大企業の破綻が淡々と進められたのか、目からうろこの思いがします。大口の債権者ほど、企業破綻を望んでいる図式が明らかです。「CDS」にこんな毒薬が仕掛けられているなどと、全く理解できませんでした。
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