エッセイでも小説でもルポでも嘘でもなんでも書きます
無名藝人




昨日、何が嬉しいのか、矢鱈とにこにこした中年男性がうちのマンシオンの通路をうろうろしてゐるのを何度か見た。
後で聞くと、NHKの人間ださうで、衛星放送を受信できるテレビを使つてゐるかどうかを調べる為に未契約の世帯を廻つてゐたとの由。
と云ふのは、うちのマンシオンは衛星放送用の共同のパラボラアンテナを使つてをり、どの世帯が受信してゐるのか判らないからである。

出し抜けに戸口にやつて来て、にこにこしながらテレビのリモコンを見せろと云ふらしい。
もし、それに衛星放送切換へボタンが付いてゐたら、お宅では衛星放送をご覧になつてゐますねと、にこにこしながら契約を迫る算段なのだらうか。

しかし抜き打ち検査のやうに、いきなりリモコンを見せろとは大胆かつ老獪だ。
忙しいのでリモコンは見せられないと云ふと、では亦お忙しくない時に参りますと云はれる。リモコンは壊れたので捨てたとか、うちのテレビには元々リモコンは付いてゐないと云ふのも強引だらう。マンシオンなので、何処かの犬がくはへて行つた、は使へない。
流石、長年「テレビが無い」とか「テレビは有るがNHKだけは見てゐない」と云ふやうな、受信料逃れの偽装と戦つてきたキヤリアは生かされてゐるやうだ。

ところで、衛星放送の只見を防止したいのなら、有線にすれば良いではないか。戸別に衛星とケエブルで結ばれるやうにするのである。
何せ大気圏外から蜘蛛の糸のやうに下つたケエブルが、受信契約をしてゐる各戸に入り込んでゐるのが外から見えるのだから隠しやうが無いだらう。

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