自由民主党 柏市議会議員・円谷のりひと 公式ブログ

千葉県柏市議会議員 円谷のりひとの議会・活動報告、政策提言など。記事には政治活動以外の内容(雑記)も含まれます。

日本文理の驚異の粘りと完璧な夏=夏の甲子園

2009年08月25日 02時12分26秒 | 野球(ライター時代の記事)
 秋。
 その悲報は、北信越大会の直前に届いた。大井道夫監督の愛妻、秀子さんが亡くなった。指揮官は選手へ動揺を与えまいと、その事実を隠したが、どこから伝わったのか、そのこことはナインの耳に届いていた。
監督と奥さんのために――。その想いを胸に戦ったナインは見事北信越大会を制覇。センバツ出場を勝ち取った。

 春。
 2年ぶりに迎えた甲子園の舞台。相手は、清峰高(長崎)。大会屈指と言われた右腕・今村は、大きな壁だった。投げては12三振で完封、打っては先制の本塁打。この大会の優勝投手となる豪腕の前に、日本文理高はなすすべなく敗れた。
このままでは、全国では、通用しない。

 夏。
 センバツで感じた全国との差を、死にもの狂いで埋めた。
 甲子園だけを目指した新潟大会。初戦の2回戦・新潟東高戦に11対0で大勝したのを皮切りに、3回戦・長岡向陵高戦、7対0。4回戦・佐渡総合高戦、8対1。準々決勝・高田農高戦、10対0。準決勝・新潟県央工高戦、10対0。そして決勝・中越高戦、12対4。まさに無敵に強さで甲子園への切符を手にした。

 そして迎えた夏の甲子園。
 初戦で藤井学園寒川に鮮やかな逆転勝利。ドラマはここから始まった。3回戦、準々決勝と、地区大会から活発な打線が2ケタ得点を挙げる。準決勝の県岐阜商高(岐阜)戦では、全国きっての古豪相手にエース・伊藤が11奪三振で1失点完投。誰もが予想しなかった決勝へ駒を進めた。

 決勝。相手は過去6度の優勝を誇る名門中の名門・中京大中京高(愛知)。さすがの伊藤もこの強打線に捕まり、快進撃もここまで。そう誰もが思った。しかし、彼らの真骨頂はここからだった。6点差の9回2死、切手が四球で出塁。続く高橋隼から2死四球をはさみ4連打5得点。4点差、満塁で迎えた伊藤の打席では、甲子園に手拍子と大きな大きな「イトウ」コールか起こった。最後の打者、若林がサードライナー倒れた瞬間は、異様な光景だった。優勝を決めた中京大中京ナインに、歓喜の笑顔がなかった。そこにあったのは、「やっと終わった」という安堵の表情だった。

 歴史に残る粘り。「組み合わせの妙」の声にふたをする、熱い戦い。全5試合のマウンドを1人で守り抜いた背番号1の背中。愛妻を失ってもチームを鍛え続け、本大会の準決勝では熱中症になりながも選手とともに戦った指揮官の情熱。すべてが、目に焼きついている。

 第91回全国高校野球選手権。みちのくの怪物・菊池(花巻東高)、史上最多7回目の優勝を遂げた中京大中京高の大黒柱・堂林、打っても投げてもセンス抜群の今宮(明豊高)。東西の横綱を立て続けに破った県岐阜商高(岐阜)。そして日本文理高。ことしも甲子園は熱かった。
 スター、名門の貫禄、波乱、そして感動。何ひとつ欠けることのない完璧な夏が、そこにはあった。