自由民主党 柏市議会議員・円谷のりひと 公式ブログ

千葉県柏市議会議員 円谷のりひとの議会・活動報告、政策提言など。記事には政治活動以外の内容(雑記)も含まれます。

そこにカズがいるということ~横浜FCvs大分トリニータ~

2007年05月26日 19時36分09秒 | サッカー(ライター時代の記事)
三ツ沢を歓喜が包む!

キングが決めた。魅せた。踊った。
前半21分、サイドを駆け上がった滝沢のクロスに走りこむ。
落ち着いて右足を振りぬくと、ボールはゴール右上に突き刺さった。

その瞬間、スタンドがゆれた。
久しぶりのカズダンスが披露されると、スタンドの興奮は最高潮。
最下位に低迷するチームにとっても、のどから手が出るほど欲しかった先制点だ。

予感はあった。
セカンドボールを拾うことでリズムを掴み、サイドから攻めこむ横浜。
カズは果敢に2列目からの飛び出しを繰り返した。

大分・シャムスカ監督は苦虫をかみつぶすように語る。
「三浦選手の飛び出しでいい形を作られた。森重がマークするはずだったが、何度かやられてしまった」
得点にこそつながらなかったものの、カズは何度もチャンスに絡んでいたのである。

新たな手応え

それだけいい動きができた理由をカズはこう分析した。
「前(平本)でタメができて、根占との関係もよかった」。
新加入の平本を含め、チームのコンディションは上向きだ。

思えば、カズが去った後のヴェルディで11番を引き継いだのは平本だった。
「才能もあるし、まだまだ伸びる」。
キングがそう評価する彼が機能したことも、大きな収穫だ。

1トップ気味の布陣の中で、平本はターゲットとして動き回った。
後半11分には中島のクロスに飛び込み、あわやの場面を作った。
ディフェンスでも走り回った。

「彼にしかできないプレーをしてくれている」。
高木監督がそう語る通り、貴重な攻撃の一手となってくるはず。
頼りにしていた久保のいない攻撃陣において、カズとともに大車輪の活躍が期待される。

キングがいる幸せ

しかし、この日の主役は終始カズだった。
後半20分、ベンチに退く際にはスタンディングオベーション。
試合後には正規のインタビュー後、内田とともにゴール裏のお立ち台に上がってサポーターを喜ばせた。

――ダンスものほかにも、試合後に「元気ですかー!」と叫んでいましたね。
筆者の問いに「内田が先にやってたから。マネしただけです」と苦笑い。
その後、「(勝ちを決める終了の)笛がなった瞬間とか、(サポーターやスタッフとの)一体感がある。みんなで喜びあえる」と勝利の余韻を噛みしめた。

そして、すぐに「でも、次に切り変えなきゃ」とカズは前を向いた。
降格圏内にいるチームにおいて、この姿勢が心強い。
高木監督も「プレーの面でも、精神的にもまだまだ影響力は大きい。良くも悪くも頼っている部分は大きい」とその存在感を認めている。

今日、キングがいる幸せを横浜サポーターは存分に味わっていることだろう。
そして、同じ幸福を私も感じている。
ひとりのライターとしてなのか、サッカーファンとしてなのか、わからないけれど。

スタジアムからの帰り道。
電車にゆられる私の耳からは、いつまでも「三浦カズ!オ・レ!」の大合唱が離れなかった。


横浜FC2-1大分(試合詳細

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勝利の余韻のその後に~FC東京vsジェフユナイテッド千葉~

2007年05月13日 14時17分36秒 | サッカー(ライター時代の記事)
こんなに気持ちのいい試合は、久しぶりだった。
得点が決まるたびに、182cmの巨体が飛び跳ねる。
苦しい戦いが続いていたFC東京にとって、今期はじめてともいえる快勝。
原監督が喜びを爆発させるのも無理からぬことである。
 
敗れれば17位転落もあり得るという状況でむかえた一戦。
過去に経験したことのない泥沼を脱出しようと指揮官が選んだ布陣。
それは外国人3人を前線に並べる新布陣だった。

この起用で前線は一気に活性化した。
ルーカスが、ワンチョペが、そしてリチェーリが次々と千葉ディフェンスに襲い掛かる。
終ってみれば3人がそれぞれ得点を奪うゴールショーとなった。

しかし、それ以上に評価するべきは前線での守備だ。
労を惜しまないプレスがこの勝利を手繰り寄せたのだ。

最終ラインに入った今野も「狙い通り。攻撃的な守備ができて勢いがついた」と語る。
原監督も「ワンチョペにも前から追いかけてくれと指示した」という。
その期待に応えるプレーで勝利に貢献した。

「我々は助っ人としてきている。だから3人出場するのは自然なこと」。
先制ゴールのルーカスは胸を張って語る。
攻守に活躍する外国人選手が、実に頼もしい。

だが、攻撃面ではこの3人に頼りきりだったのも事実。
今野は「得点の内容はリチェーリの速さとか、個人の力。満足していない」と語る。
攻めの形はまだまだ見えていないのが現状だ。

しかし、原監督が課題を口にすることはなかった。
得点直後の喜び方について水を向けられ、「ジャンプの仕方を忘れちゃってたよ」と冗談を言う余裕を見せた指揮官。
勝利の余韻を味わうのはこの日のみとし、攻めの形を早急に作り出さなくてはならない。

そうしなくては、また泥沼に引きずり込まれてしまうことだろう。

F東京4-1千葉(試合詳細

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ああ、7連敗~東京ヴェルディvs水戸ホーリーホック~

2007年05月04日 19時34分12秒 | サッカー(ライター時代の記事)
それはブーイングというにはあまりにも厳しいものだった。
暮れ行く国立の空に響いたサポーターの叫びは、まさに怒声であった。
叱責といいかえてもいい。

開幕戦を同じ国立で戦ったのがつい2ヶ月前。
1対1には必ず勝ち、球際に強かったあのヴェルディの姿はそこにはなった。
前節まで6連敗とがけっぷちを通りこした状況で迎えた一戦にイレブンの闘志は空回りだ。

エース・フッキに加え、ディエゴ、名波も欠いた布陣。
とはいえ、ディフェンスはベストなメンバーを組んだはずだった。
それなのに、守れない。

広山は「1点先制して落ち着いてやらなければならない時間にぎこちなくなった」と振り返る通り、立て続けの失点で逆転を許すと、あとはボロボロ。
対人にまったく勝てず、水戸アタッカー陣にやりたい放題にやられてしまたった。

変則の3トップで臨んだ水戸の攻め方がうまかったこともあるが、対人に勝てないのではどうしようもない。
頼みの服部も水戸・金沢に何度も何度も右サイドを破られる始末。

結局今期未勝利、合計3得点しか奪っていない水戸に対し5-1の完敗。
この結果からいったい何を見出そうというのか。

永井は「今日は勝つしかなかった。難しいです」と下を向く。
広山も「やってきたことを拠りどころにして、次がんばるしかない」
と表情は暗い。

会見場に訪れたラモス監督は、いつもの強気のラモス監督だった。
だが「京都戦まではやる。勝っても負けても、その後にフロントと話して結論を出す」と辞任を匂わせた。
「2日間しかないけど、絶対に立て直す」。
そう力強くいう指揮官にはたして具体策はあるのだろうか。

悲壮感漂うチームで、キャプテンシーを発揮しているのがGK高木だ。
この日はベンチをあたためたが、ハーフタイムには選手ひとりひとりに声をかけてまわった。
「控えGKは試合に出る確率も少ないし、盛り上げていこうと思った」
高木は次戦でも同じ役割を厭う気はない。
「出られればもちろん精一杯やる。出られなくても自分にできることを見つけて、それをやりたい」
チームのムードは悪くないという。だが、焦りやプレッシャーは確実にある。
背番号21の心意気が、そんなチームにひと筋の光明をもたらすかもしれない。

東京V1-5水戸(試合詳細

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