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黛信彦の時事ブログ

ベトナム - 中国を超えられるか?

2008年02月17日 | ビジネス・経済
  2月17日、TV朝日サンデープロジェクトは、経済ジャーナリスト・財部誠一氏が急成長するベトナムを、「中国を超えられるか?」としてリポートした。以下概要。
●ベトナムへの日本企業進出
  日本企業の進出は90年代、住友商事がハノイに開発した『タンロン工業団地』完工から本格化し、三菱鉛筆・キヤノン・住友ベークライト・TOA・デンソー・東陶機器・松下電器産業・HOYA・住友重機械工業など600社を超える。(尚、タンロン工業団地は第3期開発を終え、その規模は合計74万坪となっている。)
●進出企業の花形「エースコック」
  エースコックといえば、日清食品・ハウス食品などと同じく大阪府に本社を置く食品会社で、即席麺を製造販売しているが、90年代はじめ、日清食品・サンヨー食品・東洋水産・明星食品などライバル企業に圧倒され、5位(国内シェア、7%にとどまる)から浮上できない企業であった。
  ところが、93年、ベトナム国営企業との合併会社設立話に乗って進出を果たし、エースコックベトナムの浪江章一社長を先頭に、素材品質と原価抑制の試行錯誤を重ね、00年、HaoHao(ハオハオ)を他社製品並みの7円で販売するようになってから、エースコックの売り上伸び率と、ベトナムの麺類消費の伸び率がグラフ上で重なるまでになり、即席麺の70%という断トツのシェアを誇り、今や人口8400万ベトナム人に毎月2億食を供する大企業となっている。更に、07年にはキリンビバレッジと提携し、飲料市場への進出も図っている。
●ブラザー工業と中越
  ブラザー工業もベトナムで成功している企業だ。95年頃中国・華南とベトナム・ハノイに同時進出を果たしたが、中国では、反日デモの不安と人件費の高騰でメリットがなくなったことを理由に4年で撤退、ベトナム人の勤勉さと器用さに舌を巻きながら、エースコック同様「ベトナムを情報と輸出の拠点とする」考えだ。
●ベトナムの魅力
・国民全体の平均年齢が30歳未満という若さ(日本50才、韓国43才)
・中国と違って支払い義務気質が強く踏み倒ししない
・器用・勤勉・知的でありながら、中韓などと違い、自己主張を抑えられる民族性
・中国のように用地買収・インフラ整備で強制撤去させず、国民には充分な話し合いと補償という民主的手続きを踏んでいる
●チエット国家主席の魅力
  6年連続7%超の成長率で急成長する要因は、クエン・ミン・チエット国家主席を中心とする国家リーダー達の資質だという。
ベトナムは、チエット主席の「川から海に出なければ大きい魚を獲れない」との言葉で、95年WTOに加盟、ここから急成長を遂げる。
又、主席は07年11月、国賓として来日、日本企業の進出をPRするとともに、天皇、皇后両陛下とも皇居宮殿で会談している。
●弊ブログによる『中越国家主席くらべ』
  しかし、チエット主席の最大の魅力は、来日時、高村正彦外相との会談で、カントー橋の崩落事故について、外相が「原因究明に協力し、再発防止に努めたい」と述べたのに対し、主席は「事故が両国の友好関係に影響を与えないようにしたい。将来、両国友好のシンボルとしていきたい」と応じた、その包容力であろう。
まもなく来日予定の胡錦濤中国国家主席との『中越国家主席くらべ』をするなら、だんぜん、チェット主席に分があると弊ブログは考える。又、タイトルの『ベトナム・中国を超えられるか?』については『可なり!』と言えるだろう。
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